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side.朝倉
「………っは、はぁッ、っ、!」
荒い呼吸に目を覚ますと、俺の腕の中で葵が蹲っていた。
背中を丸めたその姿に、どうしたのかと顔を覗き込むと、
「は、はふ、っ、ッは、」
「!」
ぎゅう、と自分の胸元を握りしめて、空気を取り込もうと喘いでいる。
過呼吸だ、とわかるには十分な様子だった。
「ゆっくり、息しろ」
言いながら何か袋がないか探すが、寝室にそんなものがあるはずがない。
「ひぅ、っ、はあっ、はっ」
苦しそうな葵。
涙をぽろぽろ流して、突然のことで驚いたのか、パニックにもなっているようだった。
「はぁ、ッ、はっ……ン、っ」
唇を俺のそれで塞ぐ。
「ふ……ぅ、ん……っ」
苦しそうに目をつむり、俺に必死にしがみついてくる。
それでも俺は離そうとせず、葵を抱き締めながら背中を擦った。
「ン、ぅ……」
落ち着いてきたのを確認して、唇を離す。
そのまま抱き込んで、背中を撫で続けた。
「あ、ぁ……」
「……平気か」
聞いても、葵は呆然としたように、俺に身体を預けるばかりだった。
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