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side.朝倉



(………痩せた、な)



情事後、気を失ってベッドにくたりと横たわる葵を見て、そう思った。
元々華奢な方ではあったけれど、今は適度な筋肉も落ちたような、言うなれば、やつれた感じだ。



「………」



いつもなら放っておくが、なんとなく気がかりで、濡れタオルで身体を拭いてやる。



「……ん、ぅ……」



抱き上げた身体は、ひどく軽い。
心なしか顔色も悪く、そういえば前より体力なくなったなぁとも思う。



(……風邪か……?)



季節の変わり目は、体調を崩しやすい。
そんなもんだろう、と無理矢理納得させた。



「……ん、」



もぞ、と身体を蹲せた葵に、俺のシャツを着せてやった。
布団を被せて、俺はシャワーを浴び、葵の隣で眠る。

目を覚まさないときだけ。
こうやって、優しく抱き締めることができる。
葵が起きてるときは、こんなことも出来ない。
ガキじゃあるまいし、と自嘲するけれど―――どうしても、拒絶されることが怖い。
当たり前だ、弱味を握って毎晩のように身体を重ねる俺に、好意なんてあるわけないのだから。

腕の中の小さな温もりを感じながら、俺は目を閉じた。



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