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side.葵



「………え?」



目を覚まして、僕はぞっとした。

現在、朝。
天気、快晴。
場所、大学の研究室。

周りにはまだ眠っている研究メンバー。
僕は慌てて荷物をまとめ、研究室を出た。



(やば、これは、やばいっ……)



昨夜のことだった。
いつもより早い朝倉さんからの呼び出しがあった。
その日はどうしても終わらせなければいけない実験があり、けれど有無を言わせぬ物言いに、早めに終わらせようと考えていた。

実験は失敗の連続、アクシデントが続いて終わらず、研究グループは居残りになってしまって、



(最悪だっ……寝ちゃう、とか、っ)



いつの間にか、研究室で眠ってしまっていたらしい。
連絡もいれず、朝倉さんとの約束をすっぽかしてしまった。
携帯は、充電が切れてしまっていた。



「はっ……はぁっ、」



朝倉さんの家の前。
今日はたしか休みのはずだ。

怒っているだろう。
何をされるかわからない。
これから起こることは、容易に想像できた。
震える身体を無視して、チャイムを鳴らした。



「っ……!」



しばらくして、ドアがあいた。



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