![]() ‖変態に恋されてしまいました 闇夜に溶けて、人を殺める。忍の中でも同族殺しは汚名とされるが、俺はその汚名が心地よかった。きっとこのまま殺め続けて、逝くところまでイッたならば野垂れ死んで、冥府魔道にでも堕ちるのだろう。仕方がないんだ、何も考えずに頸骨を捩り折るのが快楽なんだから そんな闇の塊のような悩みのない俺に、頭を悩ませねばならない事が起きてしまった 「…うっそだろ…」 なんと言うことか、俺が遣えている主、直江兼続様が俺の忍装束を枕にして転た寝しているではないか いや、可笑しいって、こんな無防備じゃ殺されるぞ。それともこれは新種の嫌がらせか? どうして良いものかとあたふたしていれば、横になっていた兼続様が薄目を開けられた。さてはて本当にどうしようか。退けだなんて口が裂けても言えないし、かといって草である俺の装束を枕にするなんて彼の方がやることではない 「……白雪」 悩んでいれば、ふと声がかかる。どうもこの御方の爽やかで男前な声音はむず痒い。俺のような草には縁の無い心地良さがぞわぞわと背中を這っていくのが手に取ったように分かるのだ 『は』 たった一言、側に寄り発する。次の任務だろうか、はたまた何か至らぬ事でもあったのか。いつになく自分の心臓は早く脈を打つ 「うむ、やはりいいさわり心地であるな」 『……?!』 気のせいでなければ、今兼続様は俺の尻を撫でなかったか、いや、寧ろ揉まなかったか?!何を血迷ったか、秋風を思わせる涼しげな微笑みのまま俺の尻を揉みしだき始めた 『え、か、兼続様……?!』 「どうした白雪、鳩が豆鉄砲を食らったような抜けた顔をして。何か可笑しな事でもあったのか?」 今 現 在 此 処 で 起 き て る ん で す が そ れ は ! 何だこいつ!いや俺の主だけど!兼続様がこんなことをされるとは思わなんだ……! 『…か、兼続様、私めのような物に触れては天下の采配を振るうべき腕が汚れてしまいます。お戯れも程々に為された方がよろしいかと』 「固すぎず柔らかすぎない、しなやかで強かな良い尻だ」 もうだめだ、話聞いちゃいない!何だこいつ!(二回目) 「それにな」 ふと、笑顔が消え如何にも真面目な表情で口を開く。嗚呼、この凛々しく美しい兼続様をお守りできて光栄だといつも思っていた。尻さえ揉みながらじゃなきゃ本当に思っていたよ…! 「上に立つもの、部下と交流を持たずして組織が成り立つかね?と慶次殿が教えてくださったのだ。すきんしっぷとやらが大事だと。尻を揉めばよきすきんしっぷとなるだろうとな」 おい傾奇者ぉお!!なぁんつう事を兼続様に吹き込んどんじゃおどりゃぁ!?…だめだ、頭が痛くなってきた。とりあえず兼続様、尻を揉みしだくのやめてくれ…… てか、あれだ、これは南蛮語の すきんしっぷ じゃなくて せくはら です! ((か、兼続様……)) (どうした白雪?) ((な、なんでもないです…)) 血塗られた忍でも笑顔の主に逆らえない 横文字御免!!(え) ↓こちらからお借りしました!!↓ ◎確かに恋だった様◎ [*前] [次#] |