安藤家の自宅のキッチンにはモニターサイズの小さなテレビが備えつけてある。

今はキッチンに小十郎と佐助と天音とで食事の支度をしながらそのテレビを見ていた。
映っている番組はお昼の料理番組だ。


「今日の先生は初めて見る先生だね」

「刃物の扱い方がなっちゃいねぇな」

「撮影だから緊張してるのかも」

「それにしたって手際が悪くない?俺様、なんか苛々してきたよ」

「はい佐助、毒見」

「はいはい味見ね。お願いもう許して天音ちゃん。そろそろ泣きそう」

「あっ、先生指切った!」

「言わんこっちゃねぇ。やっぱり素人なんじゃねえのか?天音、火止めてくれ」

「大丈夫、もう止めたよ。お皿出すね」

「おう」

「肩書きは料理研究家かー。こりゃ本職の料理人じゃないね」

「よし、出来た」

「でも料理自体は良さそうな献立だったね。甘辛の味付けみたいだし、旦那が喜びそうだよ」

「政宗様も興味を持たれそうだ。今度作ってみるか」


完全に主婦の会話だった。



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