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もうどうにでもなれよちくしょーとヤケクソになりながら、適当に5人でぐだぐだと会話をしていた。
どうやら私は青峰、黄瀬とも面識があるらしい。この世界の私は一体どういう人生を歩んでいたんだろう。謎い。

「ん、もうこんな時間か」

携帯を取り出して時間を確認した赤司の声で、私も携帯を見てみる。
7時過ぎ。
まあ確かに中学生にとっては遅い時間、だろうか。元大学生の私にしてみればうわまだ7時か、って感じなのだけれど。

「相坂さん、俺送ってくッスよ!女の子をこんな時間に1人で帰らせるわけにはいかないッスからね!」

言ってることはありがたいんだがシャラ顔やめて欲しい。なんか殴りたくなる。

いやでも送ってくって言われても私、自分の家知らないしなあ。
どうしたもんか。

「いや…大丈夫だよ、黄瀬君。それで黄瀬君の帰りが遅くなっちゃったら申し訳ないし」
「そんなん大丈夫ッスよ!」
「いやでも」

引けよ。頼むから引いてください黄瀬くん。
送ってくッスよ家どこッスか!知りません!なんて会話したくないんだよわかるこの私の気持ち!?わかんないよねそうだよね!
黄瀬の優しさが私の胸をえぐる!もう私のハートはボロボロだよ!!

「涼太、いいからお前は帰れ。相坂と家の方向真逆だろう」
「あ、そういえばそうッスね…じゃあ赤司っちが送ってったげるんスか?」

なんだと。

ていうかこの人たち私の家知ってんのか!まじか!知ってるなら知ってるって早く言ってくださいよお私このまま野宿コースかなって軽く覚悟決めかけてたんだから!もう!

「は?何で僕が」

ですよねー!

黄瀬の言葉に対して心底嫌っそうに顔を顰めた赤司を見つめ、心の中でうっぜえと悪態をつく。
とりあえず家までの地図さえくれれば自分で帰るから地図ください地図。
ああでもそんなこと言うと電波扱いされる!つらい!

「僕が送っていきますよ、相坂さん」
「え、テツヤを相坂なんかと2人きりにさせるわけにはいかないよ。それなら僕も行こう」
「お前はつばきをなんだと思ってんだ」

黒子っち優しいなあ赤司は相変わらず私の事なんか毛嫌いしてるっていうか目の敵にしてるなあ、と話の流れを見守っていたところに青峰が落とした爆弾でびっくりした。

えええ今この子私のこと名前呼び捨てで呼んだよ!私と青峰の関係ってなに!?仲良し?仲良しさんなの?
そういえば男友達フォルダに青峰の名前もあったわ、今思い出した。

「ああああおみねくん、」
「ぶっは!っげほ、なにお前急に俺の事名字で呼んでんだよきめえ!」
「きめえてお前」

思わず口に出してしまい、ぱしっと自分の手で口元を覆う。
そんな私の行動にはてなを浮かべた青峰は、数秒間私を見つめた後、赤司の方へと視線を向けた。

「赤司がつばきをいじめるばっかすっからこいつどっかおかしくなったんじゃねーのか?」
「相坂がおかしいのは元からだろう、僕のせいにするな」

なにこいつら殴りたい。女子に向かっておかしいとか。
無言で私の頭を撫でてくれる黒子の行動が優しさからなのか憐みからなのかを図りかねていれば、黄瀬が「もー!」と声を上げた。

「よくわかんねッスけど!みんなで帰ればいいじゃないッスか!俺ももっと黒子っちや相坂さんと話したいッス!!」
「そうですね、じゃあ、みんなで帰りましょう。相坂さんも、いいですよね?」

やだ黄瀬君まじわんこ。
とか考えていたら急に黒子に同意を求められ、思わずうなずいてしまう。

じゃ、けってーい!とトレーを片付けて店の外へと出て行く黄瀬含む4人を追いかけながら、おずおずと声を絞り出した。

「あ、ありがと、ございます」

やっぱりおかしいと、青峰が変な顔をしたのが印象的だった。


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