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でもそれとこれとは話が別です、と言い放ちやがった黒子くんに私は涙を飲まざるを得なかった。

「僕が相坂さんを好きなことに変わりはありません。だから相坂さんには、僕か、赤司君か、はっきり決めてもらいたいです」
「吹っ切れた黒子君まじめんどい」
「まあそう言うな、つばき。良い傾向じゃないか」

赤司も肩の荷的な何かが下りたのか、ソファーにもたれてくすくすと笑っている。うざあ。
ソファーに姿勢正しく座って、さあ、と私の返答を急かせる黒子にため息を隠しもせず吐いた。それもとびきり特大のを。

「赤司さんには言ったけど、私は黒子も赤司も同じくらい大切だから選びようが無いし、イコールぶっちゃけどうでもいいし。まず、それは私が選ぶことでも無いから」

それは私じゃなくて、この世界のつばきが決める事だ。
だってもし私が元の世界に戻って、今どこにいるかは知らんがつばきがこの世界に戻って来たときに赤司か黒子か、どっちかと付き合うなんて事になってたらびびるだろ。私ならびびる。

「まだ中2でしょ、そんな急ぐ事も無いんじゃね?あと1年使って、正攻法でこの世界のつばきを落としてみなよ」
「…相坂さんも大概、質悪いですよね」
「だな」
「君らには言われたくないんですけど…」

息のあった赤司と黒子って実は一番めんどくさいんじゃね?これから大変そうだわ。

…ていうかこれからっつったけど、私もうやることなくない。早く元の世界戻りたいんだけど。
赤司も黒子も健全中学生になったじゃん。キセキとの諍いも多分大丈夫じゃん。
いやまあ私ほとんど何もしてないんだけどな!赤司と黒子を見守ってただけだけどな!
まじで私何のためにこの世界来たんだ…と遠い目をしていたら、携帯が震えていることに気がついた。
見てみれば、青峰からのメール。

「…学校終わったから、大輝がカバン持ってきてくれるって。ここ呼んでいい?」
「そうだな…良いだろう。隠す必要も別に無いしな」
「無かったんすか…」

あっけらかんと言う赤司に何とも言えない気分になりながらも、メールを返す。
黒子も赤司もいるよと伝えれば、数分で「すぐ行く!走って行く!」との言葉が返ってきた。時かけか。

「じゃあ私、ちょっとお手洗い行ってくる」
「僕もついて行きましょうか?」
「心底意味が分からない。黒子くんは座ってなさい」

携帯をテーブルに置き、立ち上がる。
廊下に出て、そういえば明日はゴミ出しの日だなあとぼんやり考えながら歩いて。

そこで、私の意識はとぎれた。



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