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青峰に訊いた私がバカだった。
それからも延々、私主人公のキセキヤンデレゲーについて語られ、部活が終わったと電話をかけてきた赤司に泣き付いてしまうレベルだった。
赤司が珍しく私じゃなくて青峰を叱ってたよ。
どんだけ私の顔死んでたんだろう。

いや乙女ゲーとかの話は好きだけどそれを自分主人公にされると聞くに堪えない。
なんか謝罪しながら死にたくなってくる。


そんなこんなで、今日はキセキのみんなとコンビニに寄ってから帰宅した。
家に帰れば、青峰の言った通り甘えんぼさんになる赤司の頭をくしゃくしゃ撫でながら、テレビを見る。
これがもう私の中での日常になりつつは、あった。
だけど、私はまだ元の世界に帰りたいと思っている。

赤司や黒子に想われるのが嫌なわけじゃない。
嬉しいし、キセキのみんなとも仲良くできる現状はとても幸せだと思う。
でも、こんなの所詮、夢みたいなものだ。
いつかは覚める、夢。
本来、私は彼らに会うはずの無い存在なんだから。

「つばき…どうした?」

赤司が心配そうに私の顔を覗き込んでくる。
泣きそう、とさえ思えるその表情に苦笑して、なんでもないよと返した。


赤司のことも、黒子のことも、好き。
だけど2人の気持ちには答えられないし、ずっと一緒にいられる確証もない。
それにきっとこの世界での私は、それを望んでいない。と思う。

「どうしたもんかねー」
「、何がだ?」
「いんにゃ、今日の晩ご飯なんにしよっかなーって」

適当にごまかして、笑って。

私はどうしたらいいんだろう、どうやったら、元の世界に戻れるんだろう。
どうしたら、赤司と黒子は、私がいなくても普通に生きていけるようになるだろうか。

考えてもわかるはずないけど、私は考えなきゃいけない。

「僕は、つばきが作ってくれるものなら何でも嬉しい」
「…それが一番困るんだよ、赤司さん」

ふわりと赤司の髪の毛を梳くように撫でれば、赤司は目を細めて猫のように笑った。


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