15 さて、赤司のヤンデレっぷりの話に移ろうと思う。 前述した通り、私はヤンデレについてそこまで詳しいわけじゃない。 黒子の話の冒頭でしたヤンデレ知識に付け加えるのなら、ああそういえば当人に害がある場合と周囲に害がある場合があるよねー、程度か。 それから考えると、赤司と黒子はどちらにも当てはまらない。 今のところ私は、多少引いてはいるものの、これといった害は無いし。 周囲といっても学校で私が話をするのは数人のクラスメイトとキセキくらいだ。キセキ厨な赤司がそんな彼らに手を出すわけがない。黒子もまた然り。 そんなキセキ厨である赤司君は、家に帰ると人が変わる。 何度も何度も私の名前を呼び、強く抱きしめては私がここにいる事を確認しようとしている。 少しでも姿を消せば大袈裟に探しまわる。たまに泣く。イケメンの泣き顔まじ萌え、とか私は思ってますすみません。 どうやら私がいなくなることにかなりの恐怖を覚えているらしい。 過去になんかあったんすかと聞きたいところだが、まあ今の私にはなんら関係の無いことなので気にしないことにした。 そんなこんなで、学校では私を痛めつけてばかりの赤司も、家で2人きりとなるとまあこれがめろっめろに可愛いわけだ。可愛い!わけだ!! 「つばき、何を作ってるんだ?」 「その本はそんなに面白いのか?」 「ねえつばき、もうちょっと近寄っても…いい?」 くそかわいい。萌え殺される。 でもちょっとうざ…ああいや何でもないです。 私の一挙手一投足に興味津津といった感じで傍に近寄りほっぺすりすりしてくる赤司くんまじ天使かなんかかと思う。子猫みたい。ほんとかわいい。かわいすぎて私の中のなにかが爆発しそう。 だけどそれプラス嫉妬もなかなかに強い。 この点においては私に害があると言ってもいいくらい。まあ愛情表現なんて知らないんだろうし可愛いモンだよなあ、と思えるのは私の精神が20歳オーバーだからだろうか。 大人の余裕まじありがとう。ばんざい。 内容は割愛するけど、青峰とバカ話で盛り上がりお互いの体をばんばん叩き合っていた日の夜。 黄瀬が授業のわからなかったところを私に聞きに来て、教えてあげれば感謝という名のハグをくれた日の夜。 黒子に教室内で手を握りしめられあまりの小悪魔っぷりにによによしてしまった日の夜。 赤司の嫉妬はそりゃもうすごかった。 一種の感動すら覚えるレベルだった。 「つばきに触れていいのは僕だけなのに僕だけのつばきなのにそれなのに何でそんな簡単に他人に触れさせるんだどうして他人なんかに笑みを向けるんだお前は僕だけのものだろうそれなのにどうして」えとせとらえとせとら。 そんなに台詞はっきり覚えてないけどこんな感じのをぶつぶつ言われながら全力ハグされた。主に背骨と腕が痛かった。 せめて私の腕を自由にしてくれればよかったのに。腕の上から抱き締められると痛いんだよう。 ただ、まあ殴られたりするわけではないし、宥めればそのうち落ち着くし、その日の夜一緒に寝れば翌朝にはけろっとしてるし、ていうか学校行ったらキセキと絡んだ時に被害受けるの私だしな!!大変解せぬ。 私から触れに行くのは青峰くらいだよ。受け入れるのは黒子くらいだよ。黄瀬は完全に放置してるし黄瀬と相対してる時の私の顔死んでるだろ。よく見てください赤司さん。 「取り乱してすまない…。でも、わかってくれ、僕はただつばきが愛しくて大切でたまらないんだ。つばきは僕から離れない、そうだろう?ずっと僕のそばに、いてくれないと、僕は」 そんなことを虚ろな目で訴えてくる赤司さんに、わあこの子病んでるよおと現実逃避をしたのは記憶に新しい。 学校での赤司はどこに行ったんですかねと全力で問いたい。二重人格すぎますわ。 ちなみに私はずっと一緒にいる保障なんぞ出来ないので曖昧に返事は濁して、さっさと寝させていただいた。 だってトリップなんていつ帰るかわからないじゃないですかー。 永住?勘弁してください。 私ははよ目を覚まして平凡な生活に戻りたいんです。現実の自分がどうなってんのか不安で不安で仕方ない。 レポートというか単位は大丈夫なのだろうか…こわ…。 というわけで赤司さんは、やや愛情独占型混じりの他者依存型ヤンデレさんでした。 今のとこ2人とも実害が無いから良いけど、そのうち私物がログアウトしてたり暴力振るわれたらどうしよう。 ていうかいきなり襲われたら私抵抗できないよね。男女の差ェ…。 いやあこわいこわい、と思いつつも私は楽観主義者なのだ。 まあなんとかなるっしょーそうそう世の中ヤンデレ大発揮する人間いないよ。…いないよ、ね? それに私スルースキル高いし。 うん大丈夫、多分。 ていうかいくら赤司や黒子でも私物に手ぇ出したり殴ってきたりされたら引くなあ。 そこら辺はただしイケメンに限らないよね。 襲われるのは私別に非処女じゃないしそこまで問題は、…ってこの体は処女なのか?なにその体は子供中身は大人。あ、そのまんまだった。 いっそ2人のヤンデレ矯正を目標にすればいいの?更生させちゃえばいいの? でも2人ってのがネックなんだよね…1人だけなら結ばれさえすれば大丈夫そうな気がするけど、2人だと確実に1人はふることになるんだもんなー。どうしたもんか。 まあなるようになるかー。 そんなことを考えた、1人きりの休日でした。 ← → back |