地下の花3


若干卑猥注意


「は、っあ…ギブギブギブ!ナマ言ってすんませんっしたァァもう無理ぃぃい」
「ムードの、ねえ奴だな…っ」

結局高杉ともヤったわけなんですけど、こいつ半端無い。なんかもう、無理。無理の一言でしか言い表せない。
つーかお前がムードとかウケるわ。

「お前、持久力どんだけあんだよっ…持久走1位か、耐久力には自信あんのか」
「てめえが柔なんだよ」
「これでも、なかなかイかない事で有名ですよ…」

暫くして欲を吐きだし、ずる、とあたしの中から出ていくそれに唾吐いてやりたい気分になったけど我慢。
後処理をしてくれているのを寝ころんで息を整えながら享受していたら、不意にちゅうと太ももの付け根の辺りに痕をつけられた。
びっくりして震えた体に、感じてんのか?と高杉は笑う。感じてんじゃねーよびびったんだよアホか。

「気持ち良かっただろ?」
「あーあーそうですね、もう一生高杉とはヤりたくねえってくらい気持ち良かったわ」
「一生俺以外とはヤりたくねえ、の間違いじゃねェのか」
「あたし自信過剰な男は好みじゃないんで」

それでこそ奪い甲斐がある、と唇をあたしのそれに落とされる。
深くて、なんかもう内臓吸い出されるんじゃねーかこれ大丈夫?なんて無意味な心配しちゃうくらいの、口付け。

沖田とも銀さんとも…山崎とも違う、優しさなんて微塵もない、激しい欲をぶつけるだけのそれ。
ああでも気持ちが入ってない分、久しぶりにあたしとしては気分が楽なキスをしている気がする。そんなことを考えて、ふ、と笑えば、高杉が僅かに目を丸くしていた。

「そんな顔でも笑えるんだな」

次の瞬間浮かぶ、高杉のものとは思えない程優しい笑み。
思わず見とれた直後に、演技臭ぇと顔を顰め「その言葉そっくりそのまま返すわ」と目をそらした。

「で、満足したでしょ?情報くーださい」
「は?ふざけてんのかお前」
「ふざけてねーよ至極本気だよ」

煙管を取り出し吸い始める高杉に、そういえばあたしもずっと煙草吸ってなかったわ、と思い出して煙草を取り出す。
がさごそとしていたら布団の上にどっかと座っている高杉が、見下すようにあたしを見やった。

「てめえ程度の体の女なんざいくらでもいんだよ」
「んだとコラ」
「文句あんならもっと俺を満足させてみろよ、なあ?史紀ちゃん」

ひい、ちゃんとかきもい。ていうか顔があくどい。

お互い全裸に着物を羽織っただけの格好。それを払い落とせばすぐにでもまたさっきの姿に戻る。
でもとりあえず煙草吸い始めちゃったんで後でお願いしゃっすと苦笑いを浮かべれば、口に咥えていた煙草を奪い取られて代わりにキスをされた。

あたしの煙草とは違う味が口内に広がる。
うええ好みの味じゃない苦いまずい。全力で眉を寄せたあたしに、高杉はふんと鼻で笑った。

「明日の晩、笹本共がここで宴会を開くそうだ」
「…え、まじ?」
「情報は与えたぜ?後は史紀、てめえ次第だ」

明日の晩、宴会…。一斉に検挙するチャンスだ。このチャンスを逃すわけにはいかない。
すぐにでも山崎に伝えて土方に報告したいけど…目の前のこの男が今あたしを外に出しはしないだろう。とりあえずの、満足とやらをさせるまでは。

「…精一杯ご奉仕させて頂きますよちくしょう」
「わかればいーんだよ」

取り返していた煙草の火を消し、羽織っている着物を脱ぐ。
押し倒すように彼の上に乗れば、にぃと口角を上げて可笑しそうに高杉は笑っていた。

腹の立つ男だ。



 (なに、攻められんの好きなの?実はM?)(アホかふざけんな)

 
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