マヨネーズの人


なんだかんだであたしと千果が鬼兵隊のアレコレに混ざってたことは土方達にはバレず。
昨日は原作通り山崎が新八くん家に密偵?調査?に行ったらしい。あたしもついて行きたかったけど怪我がまだ痛いから我慢した。

んで今日は土方と昼ご飯食べに定食屋に来てんだけども。

「これカロリーどんだけあるんだろう…」
「んなこと気にしてたら美味いモンなんか食えねーぞ」
「果たしてこれは美味い物カテゴリーに入るのか」

あたしの頼んだカツ丼は土方の手によってマヨ丼に進化…退化させられた。
まあカツとマヨネーズだから食べられなくもないんだけどと思いつつ、もさもさとそれを箸で食べていく。わーいすごいマヨネーズ味。カツどこいった。

土方は自分のマヨ丼を食べながら、報告書の確認をしている。
あの中に多分山崎からの報告書もあるんだろうなあ。作文んん!?が聞けると思うとちょっと楽しみ。

にしてもマヨ丼しつけーなオイ。

「土方もその内メタボか…」
「なに不吉なこと言ってんだオイ」
「いやだってこのマヨの過剰摂取は…なあ?」
「ふざけんなよマヨネーズは栄養たっぷりなんだぞ」

仮に栄養たっぷりだとしても限度があるだろ。
食べてる分動いてると考えても、確実にマヨ摂取量の方が多いと思う。直接吸ってる時もあるし。

あたしはお前の将来が不安だよ。

「ったく…ん?」
「どうした」

ふと報告書の一部に目線を落として、あからさまに顔を顰める土方。
そのまま目だけで文章を読んでいたらしい土方は、読み終えたと同時にその紙をぱぁん!と机の上に叩き付けた。

「作文んん!?」

おお来た!生「作文んん!?」頂きましたー!

叩き付けられた紙を拾い上げながら、山崎の報告書?と問いかける。
そうだと頷く土方は、あいつはいつになったら報告書の書き方がまともになんのかとぷりぷり怒っていた。
見てみれば確かに、小学生の作文のようなそれ。

かわいいなあ山崎は。
思わず口元がにやける。

「なに笑ってんだ」
「いや、山崎かわいいなあと思って」
「アホか」

かわいいですむ話じゃねーよと、何故かあたしが頭をはたかれる。
あたし悪いことしてなくね?

「まあでもこれ、書き方はともかく内容はあってるよ」
「は?」
「銀さん。攘夷活動には関わってない。日頃よく一緒にいるあたしが言うんだからホントだって」
「どうだかな、テメエはすぐ他人に肩入れすっから」

ふう、と煙草の煙を顔に吐きかけられる。煙てえだろがバカヤロウとあたしも同じように、土方に向かって煙を吹いてやった。
丸めた書類でまたはたかれた。理不尽極まりねえ。

そろそろ出るかと、土方は食べ終えたマヨ丼の器を端に避け報告書をまとめだす。
あたしも湯飲みにあと少し残っていたお茶を飲み干し、脇に置いていた刀を手に取った。
その時、ぴりと痛んだ脇腹に顔を顰める。
あーあ早く治んねーかな。ただ歩くだけでも痛い時あるし。

「…おい、史紀」
「はい?」

靴を履きながら、こっちに顔を向けずに話しかけてきた土方。
なんぞやと答えれば、土方はちらとあたしの腹部に目線を向けて吐き捨てるように言った。

「さっさと治せよ、腹の傷」
「…え」
「んな簡単に騙せると思ってんのか?怪我人なんざ見飽きてんだよ」
「、土方さんも人が悪い…」

バーカと呟き、こつんとまた頭を叩かれる。
見上げたその表情にずきんと心臓が痛んで、その痛みは嘘だと自分を誤魔化すように首を左右に振った。

「やっぱり土方って優しーよね」
「ふざけたことばっか言ってっとマジで叩っ斬るぞお前」
「すみませーん」



 (で、どこで怪我したんだ?あ?)(いやあそれはアハハハ)

 
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -