暇人の散歩




本日はお日柄も良く。

「こんな最高の天気なのに千果とデートか…寂しい人生だな」
「あれ史紀、私なんか目から汗が」
「今日結構暑いもんねー」
「…うん…」

かぶき町を2人でぶらぶら歩きながら、呉服屋を見てこの着物可愛いねーなんて話したり団子屋で一服したり。

山崎はどこかに密偵へ。近藤さんと一番隊は出張。土方は仕事。
つまりあたし達は暇だった。
こんな時に限って万事屋までからっぽときたらもう散歩するしかない。

みんなしてうちらを放置しやがって!グレるぞ!

「お腹減らね?」
「じゃあファミレスでも入ろっかー」

ふと時計を見れば昼の1時過ぎ。
そりゃお腹もすくわな。

いた場所から少し歩いて原作でおなじみのファミレスに入る。
顔なじみの店員さんに喫煙席へと案内してもらい、あたしはつけうどん、千果はざるそばを注文した。あとドリンクバーを2つ。

「暇だねえ」
「おー…最近お前どうなん?近藤さんと」
「えー?進展無し?なんかもう娘か妹のように思われてる気すらする。だがそれもいい」
「お、おお…まあ程ほどにな」

だがそれもいい、って言った瞬間の千果の顔がかなりマジで怖かった。気持ちはわからんでもないが。

「そういう史紀は山崎とどうなのさー」
「あ?あー、普通」
「普通て」

あたしは会う度に山崎への愛をこれでもかってくらい伝えてんだけどね、いっつもあははって笑われるだけなんだよね。
そりゃまあこんなあたしに好きだって言われても信じられないよねー自業自得だねー。

…はは…泣きたい。

「いっそ銀さんか沖田とくっついた方が楽な気がするよ」
「浮気者すぎるぜ…」
「冗談だけどねー、あの2人も好きだけど山崎は別格だし」
「そのうち刺されるんじゃないのー?」
「かもなー」

銀時なんか殺すかもって実際に言われてるし。
まあ殺されたら殺されたで別にいいんだけどね。

でもあたしだって、ただ銀時や沖田を苦しませたり悲しませたりしたいわけじゃないんだけどなあ。
やってることは、そういうことか。

「でも私、もし銀ちゃんや沖田が史紀のこと殺したりしたら、銀ちゃん達殺すよ?」
「こえーんだよ、お前はまじで殺りそうで」

千果の頭を軽く小突きながら、へらと笑った。



 (その前に山崎が病みそう)(ヤンデレとかあたし得)

 
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