始まった試験の内容は、サトツさんについて行くだけ。
長距離走派の先輩はラッキーと鼻歌なんて歌いながら走り出したけど、短距離走派のあたしにこの試験はめんどくさいことこの上ない。
この世界に来てから、持久力も上がってくれたのが不幸中の幸いってとこか。

で、んなこと考えながら走ってたら目の前にサトツさん。
つまり先頭にやってきていた。
このままここにいたら階段のあたりでゴンとキルアに会えるな。

「?なんか嬉しそうだな、ミズキ」
「え、ああいや…ちょっと」

ゴンとキルアに会えるのが楽しみすぎて、それが顔ににじみ出ていたらしい。
先輩にそう言われて思わず苦笑してしまった。

だってゴンとキルアちょう可愛いじゃん!この世界でトップクラスの可愛さじゃん!
早く仲良くなっていっぱい撫でたりぎゅーってしたりしたいなあ。
きっとゴンは笑って受け入れてくれて、キルアは子供扱いすんなよ!とか言ったりするんだよ。
ああほんとにかわいい、想像するだけで可愛い。
言ったことあるかもしれないけど、あたしはゴンとキルアがハンターキャラの中で1番大好きです。特にゴン。

「お姉さんとお兄さん、足速いんだね!」
「っえ?」

き、きたー!まさかゴンから話しかけてくれるとは思わなかった!

階段にさしかかった辺りで後ろからやってきたゴンの声に反応して、あたしと先輩が振り向く。
そこには本当に本物のゴンとキルアがいて。

――かっ…わいい…!

思わずガッツポーズしかけた。

「そういうお前らも速えじゃん」
「う、うん。本当」

感動していたあたしより先に返事をしてくれたタカト先輩に便乗しておく。
ゴンとキルアは少し笑うと、あたし達の横に並んで走り出した。

「オレ、ゴン!お姉さん達の名前は?」
「あたしはミズキ。よろしくね」
「俺はタカト。そっちは?」
「キルア。ねえ、あんたらヒソカとか針男と知り合いなの?」

あら、見られてたのか。
もう友達になる気満々!って感じのゴンとは違って、キルアはまだ警戒してるっぽい。
先輩が「ああこいつがキルアなのか」って表情をしてたけど、まあそれはおいといて。

「知り合いだよ、不本意だけどね」
「ふーん、同じタイプには見えないけどな」
「頼むから一緒にはしないでくれ」

心っ底嫌そうに言う先輩に、キルアが笑い声をもらした。

「面白いな、あんた」
「…つーかお前ら何歳だよ」
「もうすぐ12!」
「ゴンと一緒」
「うわ、7歳も年下」

ってことは19!?
キルアとゴンの声がはもった。そんなに驚くことかね?

「レオリオと同い年には見えないなあ…」

あ、そっか。そういやレオリオって19歳なんだっけ?
確かに先輩と同い年とかには見えないよなあ。先輩がちょっと童顔、ってのもあるけど。まあそこが可愛いんだけどね!

「ミズキさんは何歳なの?」
「ん?18」
「まじかよ、オレ15くらいかと」
「ごめん、オレも…」
「ひ、ひどい」

15って…トリップしてからまったく成長してないみたいじゃないか…ていうかトリップしてきた時よりも小さいし…。
若く見られて喜ぶべきか、子供扱いされて悲しむべきか。

子供のむじゃきな笑顔がつらいね!





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