1週間後、バルデロさんにつけてもらった義手を動かしてみながら、あたしは感嘆のため息を吐いた。

「すっごいですバルデロさん!ほんとにあたしの腕みたい!」

肌の質感も動き方も、義手とは思えないくらいの精度だ。動かしてるあたし自身ですらこれは自分の腕だと思えるレベル。
念能力すげえ…。

「喜んでいただけたなら何よりです」

義手からはバルデロさん本人の念は感じられない。
周の要領で義手にもオーラを纏わせれば、それはもう完全にあたしの腕だった。

「水に浸かっても大丈夫ですし激しい運動も問題ありません。ですが1年に1回はわたくしに様子を見せに来てくださいね」
「はい。本当にありがとうございました!」

これで腕のことはもう心配しなくて良さそうだ。クロロにもお礼言わなきゃな。

バルデロさんが帰ってすぐに部屋から姿を現したクロロを捕まえて、腕がもう完璧であることを伝える。
それをきいて安堵したように表情をゆるめたクロロに、軽く、頭を下げた。

「ありがとう、クロロ」
「、いや…ああ」


++++


それから、時は過ぎて。
カレンダーを見ながら「あやっべ今年のハンター試験、原作じゃん」とか思いながら纏をしていたあたしの携帯に、2通のメールが届いた。

1通目はヒソカから。
「ハンター試験、今年こそ一緒に受けようね」と、もちろんハートマークつきで。

2通目はイルミから。
「今年のハンター試験、俺受けるから、ミズキの分も登録しとくね」って、えええ!イルミてめえ!


元よりそのつもりだったとは言え、どうやら否応無しに原作に絡むことになるらしいあたしは、ひとまず先輩にハンター試験を一緒に受けませんかと、約2時間かけて勇気を振り絞り誘いにいくのだった。






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