「うわ、葉っぱ動いた」

グラスに手をかざしながら驚いたように先輩が呟く。
先輩は操作系か。確かに結構マイペースではある…。

「タカトは操作系だな。じゃあ次、ミズキ」
「うーい」

練をして、けれどグラスの水と葉っぱに表立った変化はない。
…や、やべえこれもしかして。

なんとなく結果を予想しながら、ぺろりとグラスの中の水を舐めてみる。

「お、おれんじじゅーすだ」
「何でだよ」

普通甘くなるとかじゃないの味が変わるって、オレンジジュースって具体的すぎんだろ。
だいたいあたしそこまでオレンジジュース好きじゃないよ。リンゴ派だよ。

「変化系…かな、ミズキは」
「そうみたい」

ワタシと一緒ね、と寄ってくるフェイタンが可愛いから思わず撫でてしまった。
睨まれたけどかわいいから気にしない。

あとは系統別の修行をして、それに併せて応用技も覚えるように言われる。
操作系に属するタカト先輩は同じく操作系のシャルに、変化系のあたしは同じく変化系のフェイタンに教えて貰うことになった。

しかしクロロほんとにただの司会役な。

「ミズキ、お前今俺に失礼なこと考えただろう」
「…気のせいじゃね」
「声裏返ってるぞ」


++++


それから数ヶ月。
変化系と一緒に強化系と具現化系にも属する修行を繰り返した。

あたし自身の技はなんにするかまだ決まってない。
オーラを炎にしてみたいなーとか思ったけど、キルアの電流みたいに慣れてるわけでもないし、まずそのための修行で確実に火傷する以外の方法を思いつかない。からひとまず却下した。

「変化系…変化系かー」

指先からオーラを飛ばして1、2、3、と数字の形にどんどん変化させていく。
これは結構最初の段階から得意だったんだけどね。
トランプのマークやブランドのロゴを描いて遊びを続ける。

「念は奥が深いよなあ」

あたしの念能力が決まるのは、まだまだ先の話みたいだ。





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