先輩の修行もあたしと大差ない進行スピードだったらしい。
異世界の人間ってみんなこうなのかと旅団のみんなにはすごい目で見られた。そんな化け物扱いしないでください。
それに先輩自身結構ショック受けてるみたいなんでそっとしといてあげて…!
そりゃ素手で大木折れたらびびるよね!石砕けたらもう笑うしかないもんね!
つーかフィンクスとフェイタンはどんな修行をしてたんだよと。

んで、念を教えるというクロロに対して案の定、念とはなんぞやと訊く先輩への説明会を経て。

「精孔は無理矢理開けていいんでしょ?」
「まあ俺たちもそうだったしな」

パーカーを羽織っていた先輩、ポンチョを羽織っていたあたしにそれぞれ上着を脱いで背を向けるよう告げ、クロロがあたし達の背中に手をかざした。
まだ少し不安そうな先輩に大丈夫ですよと笑いかけ、2人で覚悟を決める。

「「…お願いします!」」

その声と同時にクロロの放った念によって、あたし達の精孔が開いた。

全身から湯気のようなモノが溢れ出していく。
すっご、これがオーラ?なんかほんの少しだけ、生暖かい。

「はっ、え?なんだこれ、すげ…っ」
「それがオーラだ。まずは体の回りに留めてみろ」

クロロ達にそれを要求するのが間違いなのかな、もうちょっと詳しく説明してもいいんじゃないの。ウイングさんみたいに。

でもこれもトリップ特典なのか。
あたしと先輩は数秒とたたずに、オーラを体の回りに留めることができた。
ぴたりと溢れ出るオーラはとまり、文字通り体の周囲に纏っている状態。

これが、纏。

「すっご…」

感嘆のため息をはくシャルに、にへらと笑って見せる。

ノブナガに何度も言われて、ヒソカにも言われてたけど、過信とかそういうのじゃなくて、この世界であたしと先輩は、強い。それも異常なくらいに、化け物と言われても仕方がないほどに。
何のための力なのかはわからないけど。


そのまま今日は1日中纏を維持するよう告げられ、いったん解散することになった。

「念能力、か」

どんな能力にしようかなあなんて、まだ纏を覚えたばかりで自分の系統もわからないのに考えてみる。
特質だったら絶対除念、強化だったら治癒力強化の能力で、変化だったらなんか炎とか使ってみたいな、出来るかわかんないけど。
操作だったら普通になんか対象を操作するだけかな、具現化ならシズクのデメちゃんを参考にしたいし、放出なら…うーん念弾みたいなのしか浮かばない。
念は奥が深いな、うん。

…ヒソカの性格別診断で言ったら、あたし何になるんだろ。
ふと気になってヒソカにメールで訊いてみたら、ミズキは操作系か具現化系だと思うな、ってハートマークつきで返ってきた。

この2つの系統だけにはなりたくない。






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