あたし、人生で1回くらいは銃を扱ってみたいなあと思ってたんだけど、この世界で銃ってあんま必要性感じないよね。
だって念能力者には基本的に効かないんだし。念弾だったら話は別だろうけど。

ハンターキャラの使う武器で言うなら、あたしはヒソカのトランプがお気に入り。
ヒソカ自体は苦手だけど、元の世界にいたときからもしハンターの世界に行けたら、あんな武器がいいと思っていた。
とはいえ、実際にこの世界に来てヒソカと知り合いになった今、あいつとおそろいの武器だなんて絶対に嫌なんだが。

「で、刀っすか」
「俺が教えられる武器っつったらコレしかねえからな」
「なーる…」

ひょいと渡されたのは、木刀。
相対するノブナガの手にもそれは握られていて。
刀か…、振り回すだけだと隙が大きくなりそうだし、なんか扱いにくそうだよなあ。

「まあモノは試しだよ。合わなかったら他に適当な武器を見繕えばいいし、念を覚えたら武器なんていらないかもだしね」

シャルの言葉にそれもそうかと頷いて、木刀を握りしめノブナガと向かい合った。
この2人、というかノブナガは完全な実戦経験派らしく、刀の振り方だの使い方だのをまったく教えてくれない。
見て覚えろ、って、無茶振りにも程があると思う。

そんなことを考えながらノブナガが打ち込んでくる木刀を受けとめ、跳ね返す勢いで反撃をしたり避けたりを、何回も繰り返した。


++++


他の団員に手伝ってもらってみんなで鬼ごっこをやってみたり、ひたすらシャルの攻撃を避け続けたり、ノブナガと真剣で戦ってみたり、そんな修行が1週間ほど続いた。

「なあ、シャル」
「うん?」
「あいつ…ミズキ、このまま念を覚えたら、俺たちすげえ化け物を作ったことになるんじゃねえか?」
「ああ、まあ…確かにね」

シャルの攻撃をすべて避け、ノブナガとの真剣勝負にも余裕で勝つことができるようになった、だから。
明日からは、念の修行が始まる。

ぎゅ、と自分の手を強く握りしめた。





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