「最初にミズキのこと拾ったのは俺なのになあ」
「まあそうふてるな、シャル。タカトはいるじゃないか」
「俺は別にタカトだけでも十分だと思うけどな」
「フィンクスごめん、俺、男には興味無いわ…」
「俺だってねえよ!」

俺、団長、フィンクス、タカトの4人で眺めているのは、ミズキとフェイタンの2人。
今は団長に頼まれて外で薪割りをしている。その薪を何に使うのかは知らないけど。
フェイタンが薪を立てて、ミズキが斧で割る。その作業をなにか言葉を交わしながら繰り返す2人は、ものすごく仲が良さそうに見えた。

俺のが先にミズキと会ったのに、ミズキはあんま俺に懐いてくれる気配ないし。
なのにヒソカやフェイタンとはすぐに仲良くなってさー、なんかむかつく。

だいたいミズキが俺のこと頼ってくる時ってパソコンの使い方が分からないときだけなんだよね。
それすらも最近じゃ自分1人で解決出来るようになってきたみたいだし。
煙草買ってあげるようフィンクスに言ったの、俺なのになー。それも後でありがとって言ってくれただけだし。

…って、なんか俺ミズキのこと好きみたいだな。

「どうした?シャル、ぼーっとして」
「、何でもないよ」

団長に訝しげな視線を向けられ、ははっと笑って答える。

いやでも、俺がミズキのことを、かー。
まあミズキも別に可愛くないわけじゃないし、結構面白いし、嫌いじゃないのは確かだけど。
なんていうか、こう…妹みたいな?
そうそう、年の差も結構あるんだし、そんな感じだよなどっちかっていうと。

あーでもそんなこと考えてたらフェイタンとけらけら笑ってるミズキに苛ついてきた。何でだよほんと意味わかんない。

「ミズキー」
「ん、うわ!なに4人してそんなとこでひなたぼっこしてるんですか」

名前を呼んでみれば珍しくミズキが敬語で答えるのは、こっちにタカトがいるからかな。
そっか、そういえばミズキはタカトのことが好きなんだったっけ?でもタカトよりは俺の方が絶対かっこいいよね?それにあれくらいの年の子は結構年上に惹かれたりするもんだし…。
って、だから何で俺はミズキをそういう対象で見てるんだよ。

「……」

でもなんかしゃくだな、どうやったらミズキは俺にも懐いてくれるんだろ。
そうだ、今度携帯作ってあげようかな。俺にしか修理とか説明とか出来ないやつ。

まだ何か用があるのかと、手を休めてこっちをきょとんと眺めているミズキ。
そんなミズキにおいでおいでをしたら、彼女は小走りで俺の方にやってきた。無防備だなあ。

「シャル?何かよ、う、」

ちゅ、と。
気まぐれで触れてみた唇は、思った以上に柔らかかった。

「ん?これだけ。んじゃ薪割りがんばってねー」
「え…あ、はい…」





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