あー平和だなーとか考えながら屋上で煙草を吸う。
買ったばかりの服を着るのはなんか心躍る。テンション上がるよね。
パクやコルトピにも何着か選んで貰ったけど、そのセンスがまた良いからたまんないよね。あたしの好みをドンピシャでついてくる辺り2人ともすごいと思うわ。

しかしこの煙草はあんま美味しくないな。
お気に入りの味になかなか巡り会えない…元の世界から持ってきた奴はどうにかこうにかちびりちびり吸って残り3本。泣きそう。


仮アジトにいるメンバーは今は変わっている。
シズクとウボォーがいなくなって、代わりにマチがやってきた。
最初は訝しげだったけどいくらか話したら結構仲良しになれて嬉しいです。

煙草を吸い終え、下の部屋で着替えてから先輩達のいる広間へと向かう。
と、なぜかそこは葬式中かなんかかってほど暗い雰囲気で満たされていた。え、何があったの。

「マチ?え、どしたの」
「ミズキ…いや、ちょっとね」
「あいつが来るんだとよ」
「…あいつ?」

フィンクスがすっごい嫌そうな顔してる。フィンクスが嫌がる人で、みんなも嫌そうにしてる人で、ここに来るような人…って1人しか心当たり無いんだけど。
もしかして、なあ…となんとも言えない表情をしていたら、マチが無言で携帯を見せてくれた。

「…なんか面白い予感がするから、そっちに行くよ、はあと。…って」
「ヒソカって言ってね…めんどくさい奴さ」
「…わお」

予想、当たっちゃったよ。


++++


「ふぅん…気に入った」
「気に入られた」

何時間かしてアジトに現れたヒソカは、マチやシャルと軽く…一方的な会話をしたあとにあたしのところに来ると、1分ちょい程まじまじとあたしの顔を見てにんまりと笑った。
多分あの言葉の語尾には星マークがついてたことだろう。

「君、名前は?」
「ミズキです」
「僕はヒソカ、よろしくね」
「どうも…」

あたしこうなんか、あれなんだよ。ヒソカ、苦手なんだよ。
いや顔は好きなんだよ?体も好きだよ?キャラもまあ嫌いではないよ?
でもなんか苦手なんだよ。
こう…扱いがわからんと言うか…目的が見えないというか…。
要約するとこの人こええってことです。
タカト先輩が目をつけられないことを祈る。無理だと思うけど。

「その怯えた顔たまらないねえ、食べちゃいたいよ」
「ひい」

思わずマチの背後に飛び退いてヒソカから距離をとったあたしは悪くないと思う。
近距離で舌なめずりされるとかホラー以外の何者でもねえよ。
でもヒソカは気にした風でもなく、そのままタカト先輩のところへと向かっていった。

「うん、君も美味しそうだ」
「…ヒソカだっけ、お前人の肉食うの?」
「あははっ、そうだねえ、君のだったら食べてもいいかもね」
「…フィンクス」
「何だよ」
「こいつ近寄りたくない」
「ああ…じゃあこっちきとけ」

タカト先輩、ハッキリ言うな…。
しかし不覚にもしゅんとした表情をしたヒソカに、まあその表情さえも作った顔なんだろうけど、少し萌えてしまった。危ない。

てか先輩とフィンクスの仲良しっぷりにあらぬ想像をしてしまいそうになるんですけど…。
え、これそういう展開にならないよね?なったらあたしちょっとまじで神様に喧嘩売りに行きそうなんだけど。大丈夫だよね?ねえ神様!





×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -