「っうあああクロハゲ!!」
「どんな夢見てんだお前」

広場の隅でバッ!と起きあがる。
ああ朝か…すっげえ変な夢見た。これも全部あのハゲクロロのせいだ…。

「おい聞いてるのか」
「うわあ夢じゃなかった!」
「お前ほんと1回殺すぞ」

夢でもハゲ起きてもハゲとかまじ勘弁してくださいよ…。
昨日は寝るまでシャルといろいろ話して楽しかったと言うのに。ちくしょう。

くあ、と欠伸をひとつして、洗面所へと向かう。
確かシャワーあったよなあ。着替えないけど気持ち悪いし軽くシャワー浴びよう。
てかここ廃墟なのになんで水とか電気とか通ってんの?それが旅団クオリティなの?まあ別に助かるからいいんだけどさ。

広場から出ようとしたところで、ハゲクロロに呼び止められた。
なんの用だよまたパシリかコラ。

「あとでパク達に買い物に連れてってもらってこい。服とかないんだろう?」
「まじすかありがとうクロロ!」
「久々に名前呼んだな」

ハゲの方が良かった?って言ったら無言で空き缶投げつけられた。スコーン!て頭に当たったんだけどめっちゃ痛かったんだけど。
やっぱりこの人のあだなはハゲでいい気がする。


++++


買い物に付き添ってくれるのはパクとコルトピとフィンクスらしい。なんか親子みたいだな。
パクとフィンクスがお母さんお父さんで、コルトピとあたし達が子供。
…そこまでの年の差じゃないからパクに失礼か。ごめんねパク。

「どこまで買い物行くの?」
「昨日ミズキとプリン買いに行った辺りだよ」
「ああじゃあ走っていける距離か…」
「大丈夫よ、今日は車で行くから」

くすっと笑うパクは美人だ。美人だ。目の保養…。

フィンクスが運転席で、パクが助手席。
後部座席に、あたしコルトピ先輩の順で座る。
コルトピが隣で楽しそうにしてるのも嬉しいんだけど、先輩の隣…も…座りたかったな…っ!

車が発進して、30分程でデパートに着いた。
あたしなかなかの距離を走ってたんだな。こう車で移動してみると自分怖いわ。

「ミズキ、この距離を走ってきたのか…」
「それは気にしないでください…」

先輩にも若干引かれた。つれえ。
でもタカト先輩も多分普通に走れると思いますよ…。

「じゃあ私はミズキと見てくるから、フィンクスとコルトピはタカトをお願いね」
「僕、ミズキとがいい」
「え?でも…」
「あたしなら気にしないからいいよ?行こーコルトピ」

パクは多分下着も見たりするから、そういうのを気にしてくれたんだと思うけど、コルトピってなんか弟っぽいし、いや見た目は全然似てないけど、特に気にすることもないって感じなんだよねえ。
コルトピはひたすらかわいい。一緒にお風呂入って髪洗ってあげたいレベル。

「そう?じゃあフィンクス、タカト、またあとでね」
「おお」
「じゃあ2時間後に1階の喫茶店でー」
「了か…って2時間!?」

そんなにいらねえだろ…っていう先輩の声は、聞こえないふりをした。
いやだってこんなでかいデパートの服見ようと思ったらめっちゃ時間かかるっしょ!
財布はクロロ持ちだしね!

「さ、ミズキ。まずは何を見る?」
「もう端から端まで見ていきたい!」
「ふふ、分かったわ。行きましょ」
「はーい!いこっ、コルトピ!」
「うん」

パクとコルトピと、3人でデパート散策を始める。
これはテンション上がるね!
気に入った服片っ端から買ってってやろーっと。





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