つながる   



「美遊ー大好きですー」
「あぁうんあたしもー」
「ホントですかー?」
「ホントに決まってんじゃんー」

むー…。
本の世界に集中してしまっているのか、美遊はミーが何を言っても上の空。

好きかと問えば好きだと言ってくれるし、会話も成立してるんですけどー…、面白くありませんー。


ずっとイタリア語の勉強をしていたからか、イタリア語の本も読めるようになった美遊は、ミーの部屋にある本を片っ端から読むようになった。
多分、元から本好きだったんでしょー。
けど今はミーが居るんですからー、本じゃなくてミーを見て欲しいですー。

…本に嫉妬するなんておかしいですかねー?
まあ、それだけ美遊のことが好きだってことでー。

「美遊ー?」
「んー?」
「本ばっか読んでるとイタズラしますよー」
「怒るよー」
「恐くないですー」
「っ、ひゃ!」

宣言通りイタズラ、を実行。

美遊の黒いブラウスの裾をまくり上げて露わになった脇腹をかぷりと甘噛みすれば、美遊の口から漏れる甘くて可愛らしい声。
本をバンッ!と閉じて、怒ったような赤い顔でミーを睨む美遊に、口角が吊り上がった。
その顔、すっごくそそられますー。

「美遊、いいですかー?」
「、いやいやいや今昼だから!」
「カーテン締めて電気消せば暗くなりますよー」
「そういう問題じゃなくて…」
「美遊はミーが嫌いなんですかー…?」

わざと、しょんぼりとした表情で上目遣いに美遊を見上げれば、美遊がう、と言葉に詰まった。
まあミーは可愛いですからねー。
好きだけど…と小さく呟く美遊はこれ以上なく可愛くて、今すぐにでも食べてしまいたい。

でも、また無理矢理ヤっちゃったら今度こそ口聞いて貰えなさそうですしー。
さすがにミーはそこまでがっついてませんからー。
とは言っても、美遊の前にいると余裕なくなっちゃうんですけどねー…。

「痛いの…やだ」

観念したようにぽつりと零した美遊の言葉に、身体が疼いた。
顔を真っ赤にして照れている美遊を、そっと、壊れ物を扱うように抱き締める。
美遊の身体がぷるっと震えた。

「絶対、優しくしますー」
「…痛かったら怒るから、ね」
「ミーのテクを舐めないでくださいー」
「うわあ」

くすくすと笑う美遊の唇にキスを落とせば、ん、と鼻に抜けるような甘い息が漏れた。
そのまま舌を絡めていく。
もっと深く、もっと長く、もっと…もっと。

「ん、フラン…っ」
「っは、美遊、」

永遠に美遊と繋がっていたいなんて。


 (君はまるで甘い猛毒)


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