つくる   



リア姉さんの部屋は、綺麗に整理整頓されていた、けど、すごいフリフリだった。
天蓋付きのベッドとか生で始めてみたよあたし。
きょろきょろと部屋を見渡していたら、リア姉さんに窘められた。すみませんでした。

「そこに座っていてちょうだい」
「はーい」

こぢんまりとした可愛いデザインの丸い机に、セットの椅子。木製のそれにちょこん、と座ってリア姉さんを待った。
少し経つと、ふんわり香ってくる紅茶の良い匂い。
甘いお菓子の香りもしてきて、自然とテンションが上がった。

「はい、どうぞ」
「わあ…美味しそう!いただきます」

リア姉さんが机の上に並べていく、綺麗な琥珀色の紅茶と、ベリータルト。
ベリータルトはリア姉さんの手作りらしい。
あまりにも美味しそうで、思わず目を疑った。

この人、神様か何かなんじゃないかな!
ぱくりとベリータルトを口に含めば、甘酸っぱさが口いっぱいに広がった。
え、ちょ、ほんとに美味しい何これ…そこらの店なんか目じゃないおいしさなんだけど。

「リア姉さんは神様だったんですね…」
「まあ!そんなこと言っても何も出ないわよ!」
「でも、すっごく美味しいです!こんな美味しいベリータルト初めて食べました」
「そう言って貰えると嬉しいわぁ」

紅茶の味も楽しみながら、ベリータルトをぽいぽい口に放り込んでいく。
やばいまじで美味しい…羨ましい何でこんなに美味しいのが作れるんだ、神だからか。
そんなに急いで食べなくてもまだまだあるわよ、って笑うリア姉さんは、完璧にお母さんだった。
マジこの人最高!

「作り方教えてあげましょうか?」
「え、いいんですか!?」
「なんか妹が出来たみたいで嬉しいのよ!」
「そんな、でもリア姉さんがお姉さんだったら楽しそうです。…フラン、ベリータルト好きかなー…」

ぼそっと呟いた独り言が、リア姉さんには聞こえたらしい。
にんまぁりと楽しそうな笑みを浮かべて、乗り出したリア姉の顔が近付いた。
言っちゃ悪いが結構怖いわ。

「美遊はフランちゃんが好きなの?」
「え、そりゃ好きですよ」
「ま!大胆」
「でもリア姉さんも好きですし、王子さんも好きですよ」

他のみんなも。
…まあ、フランはちょっと違う好きかもしれないけど…。
そんなあたしに、リア姉さんはうふふっ、と何かを含んだような笑いを漏らした。
え、何。

「すぐわかるわよ!」
「は、はあ…」
「じゃあこっちいらっしゃい!一緒にベリータルト作りましょう」
「はいっ!」

リア姉さんが何を考えてるのかはよく分からないけど、まあ…いいか。


 (恋愛事の勘の良さはヴァリアーピカイチよんっ)


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