おきる   


ばっ、と勢いよく身体を起こした。
外では鳥がちゅんちゅん言っている。日差しが眩しい。朝か…。
目を擦っていたら、起きたらしいフランがじーっとあたしを見つめていた。

「…フラン?」
「美遊、胸とか丸見えですけどー」
「は?…っうわああ何であたし裸なの!?」
「昨日お風呂でのぼせて、そのまま起きなかったからですよー」
「ちょ、服!って服ある場所遠っ!!」

寝ぼけててさっきは分かんなかったけど、あたし、完璧に真っ裸だ。何も身に纏ってないんですけど死にたい。
フランもフランで、むくりと起きあがった彼はズボンしか履いていなかった。
だからその上半身裸なのが一番えろいんだってば!腹筋萌え!てかフランまじ細っこい羨ましい…。

シーツを手繰り寄せて身体を隠すあたしを見て、フランはにやにやと笑っていた。
頼むからフラン、服取ってくれませんかね…。

「ペットが飼い主をパシるんですかー?」
「真っ裸で取りに行けと?」
「そうですねー」
「…じゃあ、後ろ向いててよ」
「えー」
「えーじゃない!」

フランの頭を鷲掴んで枕に叩きつけてから、その頭にシーツをかぶせた。小走りで服の置いてあるテーブルに駆け寄り、下着と服を持って洗面所に入った。
大急ぎで服を着て、顔を洗ってから洗面所を出る。
すごい膨れっ面で、フランはベッドの上に胡座をかいていた。

「…痛かったですー」
「ご、ごめん…」
「ご主人様に手を上げるなんて、悪いペットですねー」
「いやだから、ごめんって…」
「お仕置きですー」

「えっちょ、うわああああ」

飛びかかってきたフランを避けるも、簡単に押さえつけられてベッドに投げ飛ばされた。
勢いよくベッドに沈む。ふかふかだけど、地味に痛かった。

覆い被さってきたフランに冷や汗がだらっだら流れる。
ちょ、落ち着こうぜフラン、あたしに何をするつもりなんですか!
身を捩って逃げようとしたけど、フランの右手に両腕を頭上に纏めあげられた。うお…逃げられ、ない。

にやりと笑ったフランは、左手をあたしの横腹に添えた、…あ、嫌な予感。

「必殺!くすぐり攻撃ー」
「あああやっぱりいい!あはははっくすぐったいフランやめてそこはらめぇぇえ」

もう、フランを怒らせないようにしよう。
というか、反抗すんの止めよう。

そう、心に誓った。


(美遊の性感帯覚えとかなきゃですねー)


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -