はいる   


「ちょ、ちょちょちょ待って、待とうかフラン!なんでいきなり一緒にお風呂?!どこにそんなフラグ立ってたっけ!」


「ペットって辺り」


「…さいですか」



フランの肩の上で俵担ぎをされ、バスルームへ連れて行かれているあたし。超可哀相。
あたしなんかもう、身体、すとーん!て感じなのに、そんなのフランに見られたら死ねる。羞恥心で死ねる。
でも、フランはそんなあたしにお構いなく、バスルームのドアを足で蹴り開けた。行儀悪いな。

「あ痛っ」

ぽいっと落とされて床に尻餅をついた。
お尻をさすって、ふと上に目を向けると、既に上半身はだかのフラン…ってうわわわ、えろっ!
噴火するみたいに勢いよく顔を真っ赤にしたら、フランがそのままの格好でしゃがみ込み、あたしに視線を合わせた。
にやにやしてる。めっちゃ笑ってるこいつ。

「美遊もさっさと脱いでくださいー」
「む、無理!」
「じゃないと脱がしますよー?」
「は!?」
「はい、ばんざーい」
「いやいやいやしないから!自分で脱ぐよ!わかったからもうフラン先に入っててよー!」
「…わかりましたー」

案外あっさりそう答えたフランは、その場でズボンを脱ぎだしやがった。
コンマ1秒で目を逸らすと、フランの笑い声が頭上から聞こえてくる。くそうこのカエルめ…。
バスルームのドアが開いて、閉まる音を聞いてから、あたしは渋々服を脱ぎだした。

なんで彼氏でもない男と一緒にお風呂入らなきゃいけないんだ…?
ああ、飼い主とペットだからか、へぇ…。泣いていいかなこれマジで。
棚においてあったバスタオルを巻いて、バスルームのドアを開ける。
なんなのこれもう…ほんと恥ずかしくて死にたくなる。

「遅いですよーって何タオル巻いてんですかー」
「何でフランに真っ裸見られなきゃいけなんだ」
「ペットだからですかねー」
「とにかく!裸だけは絶対、ぜったい嫌だから!」
「どうせ夜見ることになると思うんですけどー」
「何も聞こえなーい」

フランが優雅につかっている湯船には、乳白色の入浴剤が入れてあった。
何気に気を遣ってくれてるのかな…。だったら嬉しいんだけど。
絶対こっち見ないでよ!とフランの顔をほぼ強制的に壁の方に向けてから、シャワーをばーっと浴びて、顔と身体を洗って、髪も洗ってから(こんなスピードでお風呂入ったの久々なんですけど)、あたしはシャワーをきゅっと止めた。

「まだ後ろ向いててよ!」
「はいはいー」

さすがにタオルごと入るのは気が引けたし、どうせ入浴剤が入ってるなら見えないだろうと思って、あたしはバスタオルを取ってから湯船に浸かった。
入ったのを確認したからかフランがこっちを向く。
お湯の所為で上気してるフランの顔を見て、あたしの顔にすごい勢いで熱が集まってきた。
えあちょ、フランめっちゃえろい…!

「美遊ー…」
「へ?あ、何」
「なんかエロいですねー」
「はっ?!」

いや、エロいのはフランの方なんですけど…。

そう思ってたら、フランがあたしに近付いてきた。顔と顔の距離がめちゃくちゃ近くて、顔が、すごく、熱い。なんか…、くらくら、する。
つつー…と、あたしのほっぺを、フランの熱い指が撫でた。

「フラ、ン」
「ほら、美遊エロいですー」
「ちょっ…やめ、」

フランの指はどんどん下降していって、あたしの胸の真ん中を伝っていった。
恥ずかしさで死ぬどころのレベルじゃない、これ、ほんと…っ、やばい!
なんなのフラン…、可愛いし格好良いしえろいって、どんだけあたしを萌えさせれば気が済むんだ。

てゆーか指の動きやめて!

「っあ、…」
「え、ちょ、美遊ー!」

あまりの熱さに、あたしの意識はぶっ飛んだ。


(フランのえろさは反則です)


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