ともす   


晩ご飯食べ終わって、またフランは部屋から出て行った。
あたしは首に掛かってるペンダントをはずして、手の上で転がして暇つぶし中。


ほんとに、これの所為でトリップしちゃったんだなー…。
フランはSだしベルもSだし、なんか先行き不安しかないどうしよう。

なんとはなしに、そのリングをペンダントから外して、指に付けてみた。
覚悟…ううん、何の覚悟だ…?フランのペットになる覚悟…?
…なんというギャグテイストな覚悟。

「うーん…、えいっ」

とりあえずそれ以外浮かばなかったので、その覚悟を決めて、意志を込めて掌をぎゅっと握った。

すると、小さいけど、インディゴの炎が、リングからぼんやりと浮かんだ。
ほんの一瞬で、すぐ消えたけど。

「…すっげー」

それで満足したあたしは、ペンダントにリングを戻してテーブルの上に置いた。
ま、死ぬ気の炎が出たところで匣持ってるわけないし、使い道皆無だよね。
…あ、でも霧属性の死ぬ気の炎が出せるって事は、あたし幻術使えるかもしれないのかな。

そう考えた辺りで、フランが部屋に戻ってきた。

「おかえりー」
「ただいまー」

なんだこの状況。
ナチュラルにただいま、と返してくれたフランに軽く笑いつつ、その手に持っている物に疑問符を浮かべた。
タオルと服に…、下着?!

「ちょ、フラン、なにそれ」
「美遊の下着とパジャマですよー」
「えぇえ」
「オカマセンパイが用意しててくれましたー」

ルッスーリア準備良いな…!
てか何だその協力体制。もしかしてあの服も選んだのはフランだとして用意したのルッスーリアなんじゃないの?
ぺいっとそれを投げられて、慌ててあたしはパジャマと下着をキャッチした。タオルはテーブルの上に落ちた。

さっとブラのタグに目をやる。…うわあ、ちゃんとあたしのサイズなんですけど、何故わかったし。

「そんなの見ればわかりますー」
「イタリア人こえぇー」
「さ、一緒にお風呂入りますよー美遊」
「…はい?」

誰か、聞き間違いだと言ってくれ。


(背中を流すのもペットの仕事だってか…?!)


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