なんというか、いや、嬉しいといえば嬉しいんだけど……いやごめんやっぱ困惑します。

「何してんの光、早く乗りなよ」
「……はあ、」

私誘拐事件は、まだ記憶に新しい。

それを雲雀さんが知っているのは予想外だったけど、大方リボーンが教えたんだろう。
私が誘拐されたことを知った雲雀さんには、退院して学校に来たその日に応接室で説教された。なに勝手に誘拐されてんの何ですぐ連絡しないの馬鹿じゃないの逃げるくらいできるでしょうんぬんかんぬん。
しがない一般人な私にそんなクオリティ求めないでください。

でもまあ、あの雲雀さんが心配してくれたんだと思うと……やっぱり嬉しかった。
んだけ、ど。

「いやでも雲雀さん、やっぱ悪いですって」

そんな、バイクで送ってもらうのは……ねえ?
「また勝手に誘拐されたら困る」らしく、生徒会や風紀委員の仕事で遅くなった日は雲雀さんが送ってくれるって言ってきかない。
うん、いや嬉しいですよ?あの雲雀さんと二人乗りとか喜ばないわけがない。
でも遠慮せざるを得ないというか!優しい雲雀さんが怖いとも言いますか!

「乗れ、って言ってるの」
「はいよろこんで!」

いやごめん、優しいけど優しくないわこの人。
構えられたトンファーに反射で両手を挙げて、すぐさまバイクの後ろに跨る。
わかってんならさっさとしろよな的な目線でため息をつかれ、ふっと遠い目をした次の瞬間にはもうバイクは進み出していた。

 
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