はい、これ。
そう言った雲雀さんにぽいっと投げ渡されたのは、紺色のセーラー服に赤いスカーフ、そして風紀委員会と書かれた腕章だった。

「……必須条件、ですか」
「風紀委員なんだからね、当然だよ」
「クラスで浮きまくりそうなんですけど」
「教室に行かなきゃいいじゃない」
「風紀委員長がサボりを認めちゃったよ!」

いやまあ行かなくていいならそれでいいんですけど。
手元のセーラー服に多少の抵抗を感じながら、まあセーラー可愛いし良いよね…と無理矢理自分を納得させる。
腕章に関してはもう、何も言うまい。

「んで、私は何をすれば?」
「風紀委員の事務仕事と生徒会長の兼務」
「……は?」

え、あれっちょっと待って今おかしい言葉が聞こえた。

「ごめん雲雀さん、私耳が悪くなったみたいです。生徒会長って聞こえたんですけど」
「君の耳は正常だよ。そう言ったんだから」

どうしよう事実だった!
え、なに生徒会長って何で私がやらなきゃいけないの。私そんな人の上に立つような人間じゃないんですけど。
混乱中の私にぺしっと投げつけられたのは、生徒会会長と書かれた腕章だった。腕章を二つ付けろと?

「だから明日の入学式、生徒会長挨拶あるからがんばってね」
「……雲雀さん、頭痛くなってきたんですけど」
「薬飲めば?」
「正論!」

つまりあれですか。
セーラー服に風紀委員と生徒会長、両方の腕章を付けて。明日は入学式の生徒会長挨拶をやってそれ以降は生徒会の仕事をしつつ風紀委員の事務仕事もしろと……。
あ、これって新手のいじめとかそんな感じ?

「君を生徒会長に推したのは赤ん坊だよ」
「リボーン……ッ!」

あの赤ん坊絶対悪魔の化身とかそんなんだよ!私をいじめてそんなに楽しいか!愉しいんだね!そっか!!
泣きたい。

「まあ、君なら大丈夫だと思うけどね」
「……そりゃどーも」
「せっかく褒めてあげたのになにその態度」

照れ隠しぐらい察してください雲雀さん。あなたに褒められるの慣れてないんですよあんまり。
でも、リボーンが一枚噛んでるなら私がどうこう言ったところで何も変わらないんだろう。
それぐらいはもう学んでます、うん。

しかしあの子は私を生徒会長なんかにして何がしたいのか……意味わかんない。
てかまず私に何か言うべきですよね!

 
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