お風呂事件。別名、エンツィオ事件。私が勝手に言っているだけで通称が何なのかは知らない。

光はここで待ってろ!とはディーノさんの台詞で、お風呂場で何が起きているのかは大体わかっている上について行ったらどうなるのかもだいたい想像のついた私は、その言葉に甘えて奈々さんと2人、キッチンに残った。
少し経って戻ってきた、ランボとイーピンとツナ、ディーノさんとリボーンのうち、前者の3人には太いミミズ腫れみたいな痕が残っていて。
……痛そー…。イーピン大丈夫か……女の子なのに……。

「大丈夫、だった?」
「なんとか……」

ツナもチビ達もごめんなあと謝っているディーノさんに、苦笑を浮かべる。
やっぱりロマーリオさんだけでも残していけば良かったのに。


――…


壊れてしまった沢田家浴室に、仕方なく奈々さん以外の6人で銭湯に向かった。
初銭湯だー!なんてテンションあげてる場合じゃないだろうディーノさん。可愛いけども。

「あーいうのの修理費ってボンゴレが出してんでしょ?」
「当然だ。ママンに迷惑はかけらんないからな」

もうかけてると思うけど、の言葉は飲み込んでおいた。

小さな声でリボーンと話していたらたどり着いた銭湯。
私とイーピンは2人で女湯。ディーノさんとツナとリボーンとランボが4人で男湯、なんだけど。

「やだやだやだ!ランボさんは光に洗ってもらうんだもんね!」
「ランボは男だろ!?」
「ツナなんか嫌だあああ」

ひどい言い様だなランボ。
深いため息を吐きながらもランボを男湯に連れて行こうとするツナ。でも、ランボはがっしりしっかり掴んだ私の服を話そうとしない。それ以上は引っ張られると服が伸びそうだ。

仕方なしに小さく溜息を吐いて、ツナの手をそっとよかしランボを抱き上げる。

「わかったわかった、一緒に入ろうね」
「わあああい!」
「ちょ、光、いいの?」
「まあランボは子供だし」
「じゃあ俺もそっちに入るぞ」
「いやリボーンは来ないでください」

リボーンは中身大人だろ。

「俺も赤ん坊だもん」
「もん、じゃねーだろリボーン!」
「まず赤ん坊は自立しないよ」

ランボとイーピンを抱っこしたままの私がそう言えば、いきなりリボーンは地面にへたりこんだ。
えええ何その反応。俺立てませんが何か的な目ぇしてるし。

「おいリボーン……」

ほらディーノさんも呆れてるよ。リボーン立ち上がろ?中身だけとは言え大の大人がやることじゃないよ?
でもリボーンはそんなこと気にも留めずに、あの真っ黒な瞳でこっちをじぃいと見つめてくる。
うわあかわいいけど騙されるな私!中身は大人だから!この子アルコバレーノだから!仮に一緒にお風呂入るのを渋らずにオッケーできるアルコは、風とマーモンだけです。あと性別的にラルとルーチェさん。

「光」
「……わかりましたわかったってば!何でリボーンはそうやってすぐ脅しに入るかなあ!」

このヒットマンめ!褒め言葉じゃないからな!

だめだろとかいやいや言ってるツナとディーノさんに、仕方ないじゃん的な視線を向ければ、2人とも言葉に詰まってしまった。
リボーンに勝てる人なんてそうそういないって……ルーチェさんくらいだってきっと。意外と風辺りも勝てそうだけども。

「じゃああがったらココ集合な」
「うーい」
「ごめんね光、あいつらワガママで……」
「いやいいよー。もう察したからいろいろ」
「……だよね」
「「はあ……」」

ツナと2人してため息を吐いていれば、私の肩に乗っかったリボーンに早く行くぞと急かされた。
両手にイーピンとランボ、肩にリボーンって、私どんな状況なんだろう。お母さんか?

言うまでもなく、中に入ってからも大変でした。

 
back
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -