「"おい光、今すぐツナん家に来い"」
「"は?っちょ、"」

ブツッ。リボーンは用件だけ伝えると、私の返事も聞かずに通話を切ってしまった。突然かけてきて突然切るってどうなんだろう。
さすが俺様ティーチャーはやることが違うわとため息をついてから、学校から家への帰路についていた私は渋々進路を変更をするのだった。


――…


いきなりリボーンが私を呼ぶとか、絶対ろくなことない。
そう思った私は間違ってなかった。

「おう嬢ちゃん悪いな、ここは今沢田家の人間以外通せないんだ」
「悪いが別の道を通ってくれ」

道一面、黒、黒、黒。黒のスーツをバッチリ着こなした強面のおっさん軍団が、ずらりと沢田家の前の道を埋め尽くしている。
なんてこった。怖すぎる。心の中でひぎぃと泣きそうになった。
こういう耐性を私に求めないでください!

「そいつは俺が呼んだんだぞ」
「、リボーンさん!」
「りぼーんんん」

ぴょいーんと2階から降ってきたリボーンをキャッチして抱きしめる。もうこの軍団を見た後なら君でさえも癒しになるよ!

「今日は家にツナの兄弟子が来てんだ。おまえにも見せてやろうと思ってな」
「まじすか」

ディーノさんが来てるから家の前がこんな大惨事になってんのね……なーる。

そのままリボーンを抱っこして、沢田家に入り階段を上る。
おじゃましまーすとツナの部屋に入れば、ディーノさんとロマーリオさん、ツナの3人が何ともいえない空気で話をしていた。こうなんか……緊張してる的な。

「リボーン、その子は?」
「五十嵐光だぞ。ツナのファミリーだ」
「ちょっおいリボーン!だから自然に光を巻き込むなって!!」
「なんかもう今更だけどねえ」

ほんともう、私に何の承諾も得ずに勝手にファミリー入りしてくれるとは……いやまあいいんですけど……。
そんな私たちに対して、立ち上がりながらディーノさんは明るく笑い、私に手を差し出してきた。

「俺はキャバッローネボスのディーノだ。よろしくな、光」
「あ、はい……」

ま、眩しい……!生のディーノさん輝きすぎなんですけど……人を見て目が眩んだのなんか人生初だよ!
ディーノさんがこんな眩しいのに、私いつかプリーモ見る機会があったら目がパーッンてなるんじゃないかな。プリーモめっちゃ眩しいもんな。
ぼふんっ!と爆発したような音が頭から出た気がするくらい赤くなった顔で握手に応じれば、なぜかディーノさんは珍しいものを見るような目で感嘆の声を上げた。

「黒髪黒目、清楚でいて凛とした美しさも併せ持ち、慎ましやかで可愛らしい。光みたいな子のことを大和撫子っていうんだな!」
「んなーっ!?」
「えっ…え、あ、ええ?」

完璧にフリーズした。
今ディーノさん何語しゃべりました?え?今の日本語?なんかすごい私のこととは思えないレベルの賛辞がきこえたんだけど。
顔がめっちゃ熱い。熱よ治まれ!あっ無理ですねすみません!

「私はそんなん…じゃない、ですよ」
「そう謙遜するなって!」
「……」
「おっ!そうだ、こいつも紹介しなきゃな。ロマーリオだ」

そういえば忘れてた的な感じでロマーリオさんを紹介され、あまりよろしくする機会はないと思うんだけど、よろしくお願いしますと会釈をしておく。
ロマーリオさんは笑顔で返事をしてくれた。けど私は大和撫子じゃないし、てか光嬢って呼ぶのやめてください……。

「ディーノは今日泊まってくんだ。ついでにおまえも泊まっていけ、光」

ニンッと笑ったリボーンが、ディーノさんの肩に飛び乗る。
その爆弾発言に、赤いままだった顔がすっと元の色に戻った。何故私まで泊まる必要が……と首を傾げていると、座っていたツナがさっきの私と同じくらい赤い顔でばんっ!と立ち上がる。

「勝手に決めんなよリボーン!」
「あ、いや、ツナがいいならいいんだけど」
「でっ、でも光、」

何かを言おうとして、あ、って顔をしたツナにはてなを浮かべる。
多分今の流れだと、家の人が困るんじゃーとか言おうとしたとこで、私の家族いないって気付いた、って感じかなあ。うん、なんか顔に書いてあるしそんなとこだろう。

泊まるのはまあ、一旦家帰って荷物とか持ってくればなんら問題ないし。
そのときにちゃちゃっと獄寺の晩ご飯も作っておけばいいよね。

「というかもう決定事項だしな」
「リボーンはもう少し私の意見を聞こうか」
「光が良いなら、俺はいいんだけど……」
「うーん……じゃあ一泊お世話になります。ディーノさんにも色んな話聞かせてもらいたいし」
「おう、任せとけ!」

それじゃあ荷物取りに行ってくるね、と外に出ればディーノさんが追いかけてきた。
家まで車で連れてってくれるって。やった!

 
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