もぐもぐとコロッケを頬張る獄寺から唐突にほいっとプリントを手渡され、きょとんとしながらも箸を止めてプリントを受け取り、視線を落とした。

「宿泊研修?」
「ああ、来週な」
「え、ちょっと待ってそんなん私全然知らない」
「光は学校サボりすぎなんだよ」

獄寺に言われるとは……。
いやでも獄寺は案外ちゃんと学校行ってるんだっけか、ツナの為に。


にしても宿泊研修なんて、ほんとにまったく聞いてない。寝耳に水だよこのやろう!
行き先は……並盛山?んでキャンプか。中学校ってそういうの好きだよね……。班ごとに分かれてカレー作ったりとかね…。

「十代目が楽しみにしていらっしゃったからな!俺も誠心誠意右腕としてお手伝いしなければ!!」
「……ほどほどにね」

君が誠心誠意お手伝いして良い方向に進んだことはほとんど無いことをそろそろ自覚してもらいたい。
さすがに可哀相だからそんなこと口が裂けても言えないけど!

「てか一週間前だったらもう班とか決めちゃったりした?」
「当たり前だろ」
「まじかあ」

私はどっちかというと、平凡に今まで話したことないような子たちと同じ班なのが良かったんですけども……どうなんだか。

だってほら、宿泊研修だよ?絶対リボーン絡んでくるって。俺の出番キタコレ的な勢いで出てくるって。お呼びじゃねぇよみたいな!
だからなるべくツナ達と同じ班は遠慮したいのですが……!

「安心しろ、光はちゃんと十代目と同じ班に推薦しておいてやったからな!ボンゴレファミリーたるもの十代目を常に側でお守りするのが」
「うんわかったありがとうもういいから黙って」

なんとなく想像はしてたよありがとう獄寺。
そして一回でいいから自爆してくれ。300円あげるから。

曰く、私含む2班のメンバーは、ツナ・山本・獄寺・京子ちゃん・花・私の6人班だそうで。
もう主要メンバー集めただけじゃね……?何その都合良すぎるメンバー。いやいいけどさあ。ツナの喜びようが目に浮かぶわー。

「花火とか肝試しもするんだ?もう秋なのに……」
「季節はずれなのが良いんだとよ」
「ふぅん」

肝試しは2人1組か。じゃあネタ的にツナと京子ちゃんが組みそうだな。

晩ご飯は予想通り、班ごとにカレーとサラダを作るらしい。てかキャンプだから全部セルフなんだ。なかなかハードですね…!

「つーかお風呂あんの?」
「シャワーぐらいあんじゃね」
「うわあお風呂入れないとか死ぬ」
「てめえはしずかちゃんか」
「獄寺がしずかちゃんとか、ウケる」
「おまえなあ!」

まあとりあえず君たちと思い出作りが出来るので良いんじゃないですか。
並盛山は行ったことないけど紅葉がきっと綺麗なんだろうなあ……写真いっぱい撮ろうっと!

 
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テーマ「人外ファンタジー」
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