夏休みが、終わった。終わってしまった。
始まった新学期に嘆息。ああまたあのめんどい学校生活が始まるのか……。

今朝はかなり早く起きて、2人分の朝ご飯と弁当を作った。
昨日の晩のうちに下準備とかはしてたから楽だったけど、今までは1人分とか、ていうか朝ご飯とか滅多に作ってなかったし、やっぱり大変だわーと実感。
この前買ったばかりの弁当箱に具を詰めて、冷ましてから蓋を閉めて包む。
青い無地のが獄寺の分。ピンクの水玉は私の。

それからは十代目のお出迎えのためにすでに起きていた獄寺をこっちに呼んで朝ご飯食べて、弁当を渡してから登校。

「おい行くぞ」
「え、私も行くの?」
「てめぇも十代目を尊敬してんだろうが!女だからって十代目の護衛をしなくていいほどボンゴレは甘くねーんだからな!」

私はいつボンゴレに入ったんだろう。

「だが十代目の右腕は譲らねぇぞ!!」
「いや別にいらないよ」

そんなこんなで結局2人揃ってツナを沢田家にお迎えに行くことに。
私はさっさと学校に行きたかったんだけどな……もう原作に関わりたくないとか言えないよね。だってこれもう並盛トリオとしっかり絡んじゃってるし。彼らいなくても雲雀さんとお友達だし。もう無理じゃんってか今更じゃんっていう。
いやもういいよ。別に原作と関わりたくないのも、めんどいだとか騒々しいの好きくないとかそういう理由でしか無いし。

これからは積極的に関わっていこうと思います適度に離れながら。
そしてみんなの勇姿をこのデジカメに!


ボンゴレやマフィアについての諸々を獄寺に強制的に聞かされていれば、いつの間にやら着いていた沢田家。
ぴーんぽーんとチャイムを鳴らせば、少しして出てきたのは奈々さんで。

「あら、おはよう!獄寺君に光ちゃん」
「おはようございますお母様!」
「おはようございます、奈々さん。ツナは……」
「ツっ君ってばさっき起きたばかりなのよー。上がって待っててくれる?」

まあなんとなくそうだろうとは思ってたけども。

お言葉に甘えて、リビングでツナの準備ができるのを待たせてもらう。
トーストをかじりながら「ごめんんん!」なんて謝ってきたツナの髪の毛がいつもより変な方向に跳ねていて、可愛かった。

「そこまで急がなくても、時間は大丈夫だから」
「いっいやでも、待たせちゃ悪いし、」
「お気になさらず、ゆっくり用意してください十代目!」

ツナの前でしか見られない獄寺の忠犬っぷりに漏れそうな笑いをこらえていたら、再び鳴るチャイム。
玄関に向かった奈々さんがいくらかして戻ってきたら、その後ろには山本がいた。

「五十嵐と獄寺もおはよー」
「ケッ」
「おはよう、山本君」

なんか気付いたらツナん家向かってたんだよなーって笑う山本に、無駄に噛み付く獄寺を微笑ましく眺めていたら、やっと用意のできたらしいツナの登場。
待たせてごめん!って手を合わせるツナの頭を、山本がぐしゃぐしゃ撫で回して、それを獄寺が十代目に失礼だと怒鳴る。
これが日常なんだと一歩後ろでにこにこと眺めていたら、意識してなのか無意識なのか、ツナに手を差し出された。

「行こっ、光」
「……うん!」

全てを包み込むその手に、私の手を合わせて。

 
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