あのめんどくさがりな私が、わざわざこんな暑い日に早起きして、わざわざ遠回りルートを通って、学校へと向かっている。
それはもちろん、ハルがツナに恋愛フラグを立てるあの原作の話を見に来たからで。
とりあえず草陰に隠れてんだけど、今の私すっごい変な人だ。泣きたい。

ツナが来て、ハルが来て、獄寺も出て来て、ハルのいた場所が爆発したのを何をするでもなく……ただ、眺める。
あれで平気なのがおかしい。獄寺の行動もどうかと思う。
やっぱり漫画の世界だなーなんてぼんやり思いながら、川に落ちたハルを心の中で心配した。漫画の世界でも、一応死ぬし怪我もする。

「……、でもツナが助けるんだよね」

それが漫画のストーリーなんだし。

私の目の前でリボーンがツナに死ぬ気弾を撃ち、「死ぬ気でハルを救う!!」と叫びながらツナは川にダイブ。無事にハルを助け出したことに、安堵した。


……さて、問題はここからだ!

ハルはツナに惚れるんだよねそーだよね!?そう思い、というか願いながら、今度は草陰からそっと出て橋の上に進む。
そこから事の成り行きを眺めていた。

「『死ぬ気でハルを救う!俺につかまれーっ』」

ツナの真似をしながら笑う、楽しそうなハルを、頬杖をつきながら眺める。
人生楽しそーだよなあ、ハルって。

「そんなクサイセリフ、テレビの中だけだと思ってました。『向こう岸まで泳ぐー!』」
「ちょっ、やめてよ、恥ずかしー!」
「すごくステキで、面白かったです!ツナさんみたいなステキな人なら、十代目になれると思います!ハル、今日はとってもハッピーですっ」

……台詞…変わって、る。
えっえ、うっわあまじでかー!

「ハル、ツナさんのことすっごい尊敬しました!」

原作、変えちゃった……!

 
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