いろいろあって学校を休んでたら、なんと次に行った時には獄寺こと忠犬獄公が転校してきていた。
あれっそんな大事な日に私学校休んでたの?勿体なっ!ジ・エンド・オブ・俺…!が見られなかったなんて…そんな……まじか……。


で?え?今日は山本くん自殺未遂の日ですか?
そんなまさか!今日こそ休めば良かった……。

見てても楽しくないし、悲しくなるだけの今日に私が来て何になると?……とりあえず行かないのもなんか薄情者みたいだから、屋上行くけどさあ……。

で、来たのはいいけど騒々しくて山本見えないし、話聞こえないし。
あれっ、来た意味が見えない。
ちょっと悩んでから、やっぱりいいや、と目を伏せて人の波からはずれた。
私まだ山本と話したことないし、今行っても何の意味もないし、だいたいツナが原作通り解決してくれるしね。

……ああでも、原作が始まったってわかった時点で、雲雀さんにフェンスのことを伝えておけば良かった。すっかり忘れてたとか、自分に呆れる。


とりあえず、下にツナのジャージでも置いといてあげよう。


階段を下りていれば、微かに聞こえてくる怯えや焦りを含んだ、山本を引き止める声。
教室に入って、勝手ながらツナのジャージが入っている袋を手にし、教室を出て再び階段を下りる。下駄箱で靴に履き替えて、早歩きで2人の落下地点へと向かった。

「ここら辺、かな」

屋上を見上げる。小さく見える、山本の姿。それになんだか泣きそうになって、ぎゅ、と唇を噛んだ。
地面にツナのジャージが入った袋を置いて、もう一度屋上を見上げる。

「……死んだらもう、何も出来ないんだよ。君のたった一人のお父さんを、悲しませることになる。山本を喪ったら、君のお父さんは独りきりになっちゃんだよ、そんなの、だめだよ。山本がいなくなったら、みんな哀しいんだから……私、も」

一瞬、山本がこっちを見た気がした。
でも気のせいだと、ぷるぷると首を振ってその場から立ち去る。


数秒後、山本とツナは屋上からダイブした。怪我もなく無事に2人が着地したのを廊下の窓から眺めて、ほっと安堵の溜息を吐く。

そのままぼんやり眺めていたら、リボーンと目が合ったような……、いやそんなことない、ないない絶対無い。
あとツナがジャージに気付いてくれて良かった。

 
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