忠誠とポリアンサ
お茶は仕事の後に
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城に帰ると報告書の作成に取り掛かった。本来なら闘技場で捕まえた者を連行した後で作成するはずだったものをレイニィが駐在の騎士に任せたことで少し変更が出来た。


「やっと終わった」

「ルー、時間ある?」

「勝手に開けないでください」


少し扉を開けて顔を出しているエリカをルーウェンは見る。エリカはゆっくり扉を開けて中に入った。


「それはごめん。だけど、ルーは今日ずっと外だったでしょ?」

「そうですね」

「だから疲れたんじゃないかと思ってさ」

「……お気遣いありがとうございます、エリカ様」


ルーウェンは立ち上がろうとしたが、エリカはそれを制する。エリカは勝手に椅子に座って紅茶を淹れる。


「休憩、しない?」

「そうですね。報告書も終わりましたし、ご一緒していいですか?」

「うん」


エリカはもう一つのカップに紅茶を淹れた。ルーウェンは向かいに座りカップを受け取った。


「ありがとうございます」

「このお茶、美味しいね」

「そうですか?」

「うん。好きだよ、このお茶」


ルーウェンは人知れず微笑った。


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