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いや、別に私浮気とかじゃないし。
沖田と平助と一緒にいるぐらいで怒られることはないと思うんだけど…何で少し不機嫌そうなの!?
「一…早いね、どこか行くの?」
「あんたがわかりやすい参考書が欲しいと昨日言っていた故、あんたの家に行く前に本屋へ行こうと思ったのだ。もしもあんたに時間があったら一緒に行かないかというメールを送っても電話をかけても繋がらなかった…から一人で今ここにいるのだが?」
「え。」
急いで携帯を取り出すとそこには一からの着信一件、メールが一通。
き…気付かなかっ…た!!!
必死に店員さんとかに聞いてた時だ!
「で、あんたは総司や平助と何をしていたのだ?」
「えーと…。」
「僕と平助は今から遊びに行くんだよ。たまたま名前ちゃんが通りがかっただけ。少し立ち話することなんて珍しくないでしょ?」
「そ…そうそう!じゃ名前。また明日な?行こうぜ総司。」
そう言って二人は手をふって去っていった。
最後の最後まで良い奴!!!明日ジュースを貢がせて下さい!!!
「…平助は相変わらず咄嗟の嘘がつけない奴だな。総司とは違って。」
ばれたー。
一瞬でばれたーーーーー!
「あ、あのね。一。」
「どうした。…別に怒っているわけではない。ただ…。」
「ただ?」
「いつもはすぐに電話にでるあんたが何の反応もなかった…具合でも悪いのではないかと思って…だな。」
きゅーーーーーーーーーーーーん!
聞こえました?この胸の高鳴り。
不機嫌そうな表情と声はそのままにまさかの心配!?
これが…クーデレってやつか!?
「ご…ごめんなさいぃぃぃいぃぃぃぃいい!!!」
「なっ!?何があった!?!?」
心配してくれてたというのに私は!
プレゼントを失くした上に言いだせないなんて!!!
もう悲しいやら切ないやら悔しいやら情けないやらでこぼれでた涙もそのままに私は一の腕を掴んで謝り続けた。
駅前で目立ちまくっていたんだけど一は私が落ち着くまでどうした?落ち着けと言いながら頭をぽんぽん叩いてくれていた。
「…つまり、あのネックレスを失くしたと。」
「はい。」
「そしてそれを探そうと朝から歩き回っていた。故に電話に気付かなかったと。」
「はい。」
「平助と総司には偶然会い、二人は探すのを手伝ってくれたと。」
「その通りでございます。」
「…はあ。」
「ため息!?ご…ごめんなさい!失くしたのは謝るから見捨てないでえええ!」
「落ち着け。」
ぺシッとおでこを叩かれ、私は叫ぶのをやめると一がカバンをあけてごそごそ何かを探し始めた。
「…ほら。」
「え!?」
そこから出てきたのは紛れもなくあのネックレスだった。
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