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「ま、つまり。名前ちゃんが貰ったネックレス探せばいいってこと?」

不機嫌そうにおにぎりを食べながら沖田が言う。
私達はその間も歩きながら駅前へ向かっていた。

「そういうこと。」

「お願いします。」

「そんなの素直に一君に言えばいいじゃない。付き合う前のものだしさ。これを機にペアリングでも買えば?」

「ぺ…ペアリング?!」


なんだーーーー!その甘い響きは!!!
そんなもん少女マンガの世界だけじゃないのかあああ!


「ま、一君がつけるとも思えないけど。」

「じゃあ言うなよ!!!」

「一君だってそれぐらいで怒らないでしょ。身につける物さえ失くすようなら今後あんたへのプレゼントは食べ物のみにした方が良いな…ぐらいは言いそうだけど。」

「ねえ、俺の知ってる一君って偽物なの?一君そんなにきつかった?」

「私が悪いんだし、頑張って探すよ。昨日は駅前で買い物して、ランチしただけだから探す場所限られるし。」

「ふーん。じゃあ僕は駅前についたら交番に聞いてきてあげるから名前ちゃんは買い物した店、平助君はランチした店に聞いてきなよ。その方が早いでしょ。」


沖田様あああああ!
やはり指令係がいてくれると効率がいい!!
感謝の眼差しを送っていたら気持ち悪いんだけどと一蹴されたけど気にしない。
今はネックレスが見つかれば良い!!!


駅前までの道には落ちていなくて(だと思ったけど)私達は沖田の作戦通り別々に行動し、十一時に駅前に集合することにした。


私は買い物した店の中や、店員さんに聞いたり、そこまでの道を頑張って探したけどやっぱり見つからず…。
少し早めに駅前に戻ると沖田と平助が立っていた。


「あった?」

「…ない。」

「交番にも届けられてないし、ランチした店にもなかったみたいだよ。」

「後はもう歩きまわるしかねえよな。諦めんなよ名前。」

「うう…。」


正直交番に届けられてなくてお店にもなかったら絶望的だと思うの。
こりゃもう誰かに拾われたか、捨てられたか…。

一が来るまでまだ時間はあるし、二人をこれ以上巻き込むわけにもいかないから一人で探すか…。


「ここからは一人で探すよ。二人の貴重な休日をこれ以上潰すわけには…。」

「平助の休日が貴重かどうかはわかんないけどまあその配慮ができるだけましかな。別にもう少し付き合ってあげても良いけど?」

「どういう意味だよ総司!…素直に探してあげるって言えばいいじゃん。」

「何か言ったのはこの口かな?」

「いっいひゃいいひゃい!!!」


びよーんと平助の頬をのばす沖田。
二人とも…なんて優しいの。


「あ…ありがとお…。」

「ちょっと泣くのは見つけてからにしてよ。」

「気にするなって。」

思わず泣きそうになる私の頭をぺシッと沖田が叩いた。
平助も肩をポンポン叩いてくれる。

うん!なんだか見つけられる気がしてきたよ!
三人で探せば…きっと!!!


「名前。総司に平助。一体何をしているんだ?」


…あれ?
何だか後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきたよ?


「あ。」

「おはよう一君。見ての通り、朝から君の彼女からかってるんだよ。」


ぎぎぎっと鈍い音がしそうなぐらいゆっくりと振り向くとそこには…


「は…一。」

「おはよう。名前。」


朝から三人で何してんだこのやろー…って感じに微笑んでいる斎藤一が立っておりました。


the end…!!!





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