snoitoved

雪下のメモ帳 - update : 2019.05.05
サイトとは別に詳細設定や謎時間軸の話なんかをのせるところ


国近柚宇と烏丸京介と太刀川慶と出水公平

今日は夜に任務があるだけでお昼は暇だったから皆でぐーたらしていると、突然がちゃりと誰かが隊室のドアを開けた。誰かなとそちらを見ると珍しいことにウチに来たのはとりまるくんだ。唯我くんがとりまるくんを見た瞬間嫌そうな顔をしたけど、多分逆も然りだった。

「げ、お前!」
「お、珍しいな」
「伏見から頼まれて来ただけっすから」
「柊から?」

出水くんや太刀川さんの言葉に反応してお久しぶりですと軽く会釈をすると、私の方を見ては持っていた袋を渡した。これを国近先輩に渡してくれって。そう言うとりまるくんに従って袋を開けると、中には新しいりんごカードと期間限定という名前につられて買ったお菓子と小銭が数枚。あ、思い出した!これ昨日柊くんとコンビニに行った時に預けっぱなしにしちゃってたんだ!とりまるくんに頼んでまですぐ届けてくれた柊くんは本当私のことわかってるよ。その時買ってあげた珈琲代までちゃっかりあるのはおかたいなーって思っちゃったけど。

「おつかいありがとー!」
「というわけで失礼し、」
「烏丸ちょっと待て。お前に聞きたいことがある」
「…何すか」

最近ハマってるアプリを開いて投資という名の課金をしようとうきうきしていたら、太刀川さん達が帰ろうとするとりまるくんに待ったをかけていた。何でこいつを止めるんですかあ!と怒ってる唯我くんを、出水くんがつーわけでお前は外にいて良いぞと言いながら追い出しちゃったから、かわいそうになあとドアをちらりと見た。一方三人はソファに座り直していて、出水くんと太刀川さんがにやにやしている。これはもしや?と思って私もソファに座り直す。今はゲームよりもこっちの方が気になってしまった。

「いやあちょっと?最近どうなんだよお前?」
「この面子で話すのきついんすけど」

まあ仕方ないよね、みんな気になっちゃうもん。私もにやにやしながら催促してみるけど、案外ガードがかたい。

「じゃあ一旦話変えるわ、単純にあいつの調子はどうなんだ?」

師匠に会わねーってどうなんだよあいつ、と拗ね気味の隊長にそれ太刀川さんだけじゃないっすからね、と言う出水くん。そしてそういう性格を分かってるとりまるくんは同情しているようだった。そんな顔しなくても会いに行けばいいのに男子勢は変なところで押しが弱いなあ。私とかずーっとチャットしてるよ?遊ぼっていったら遊んでくれるし。まあ私が同姓だからそう思っちゃうんだろうけどね。

「あいつのことなんで任務の都合見て声かけてくると思いますよ」
「じゃあ今度デートしてもらおっかなあ」
「…お前これはオッケーなの?」
「いや別にあいつの彼氏でもないんで」
「今はまだってか?」
「帰っていいっすか」

同姓だから嫉妬しないとかは言わないんだ、とかは言わないでおく。とりまるくんが嫉妬深いとかそういうのじゃなくて、実際に女子から告白されてるのを何回か見たことがあるからこその反応だって分かるから。相手は強敵だ。

「というかとりまるくんは柊くんとデートしたことないの?」
「いやこいつ小南が好きだって勘違いされてるから」
「あれ心外なんですけど」
「あー…」

あれはそう思っちゃうって。そもそもとりまるくんは小南と付き合ってるっていう噂が一時期本当に流れたから程だからね。まあそれを言うなら柊くんと迅さんの噂の方が長かったりする。迅柊ペアとか確かに息ぴったりだったし、普段の仲見ても距離が近いし。知れば知るほどあの二人は兄妹!とか師弟!って感じの方が強いからそういう関係じゃないって分かるけどあそこはあそこで納得しちゃうよね。

「国近先輩風に言うならそういうイベントは割とありましたよ」
「でも意識されないんだね?」

無言でソファに凭れたとりまるくんはまさに図星といった様子で頭を掻いた。割とそういう年相応なところ出すんだなあと初々しい姿を見てホッとするのは私だけみたいで、とりまるくんの隣に座ってる出水くんはバシバシと肩を叩いている。太刀川さんもだろうなってひどく納得してる様子だけど、ぷーくすくすといった感じで笑ってしまっている。

「玉狛行ってから進展あるかと思ったら案外そのままかよ!」
「本当戻りますよ」
「じゃあ一ついいこと教えてやるよ」

気になるだろと自信ありげに質問を投げ掛ける太刀川さんに、ややうざそうにしてるとりまるくんはそれでも言葉を待ってる。好きな人絡みだから待ってるのかな、と思うとやっぱりどうしても笑ってしまう。

「あいつ任務は朝だけで、昼から俺とランク戦して晩飯食って解散って流れだった」
「…で?」
「何時もならブースにいるけど居ねえからそろそろ連絡して来る筈なんだよな」

三本で終わらせてやるからそのあと昼飯にでも行ってどっか出掛ければ?と普段とは違う態度に熱でもあります?と疑ったとりまるくんは間違ってないと思う。私も三本で終わらせてやる発言で心配しちゃったよ。本人はお前らひでえな、と言ってるけどこれは仕方がない。

「それか四人で共闘でもするか?即興でチームつくって戦うのも嫌いじゃねーんだよな」
「あんた自分の戦い方見直してから言ってくださいよ!」
「お、柊からだ。今隊室にいるんだが――」
「この人マジでする気だ」
「自称迅柊ペア生みの親だからね」
「いやそれ自称とかじゃねーから伏見も言ってやれ…ってああおいすぐ向かうからそこ待っとけよ」
「よし京介行くぞ」
「結局出水先輩もやる気なんすね」
「私も見に行こうかなー」



おまけ
「どうせ拘束されるからと思って烏丸に頼んだのにこれだと意味が無かった様で」
「お陰でこいつ来たんだし、やるぞ。あとこいつらいるから三本だけな」
「はい?」
「流れで二対二することになった」
「仮に私と組んだら交戦出来ませんが良いですか」
「…はっ!それは嫌だ!」

back
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -