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「はーい、それでは四者面談を始めまーす」


机を挟んで問題児三名…ランサー、言峰、ギルガメッシュと対峙する。

尚、今回の面談は少々特殊な環境下にて行われる事をご了承願いたい。
云うなれば、各ルートから攻略対象を連れてきている状態。
しかしなんと自分に至っては全ルートの記憶が混在している…そんなあまりにも特殊な環境下での面談である。

何故そんなことに?
そんな事、こっちが聞きたい所だ、が。
おおかた聖杯のせいだろう。
相場はそんなものだ。
さて。

「各自何か弁明することは」

「いきなり過ぎて訳がわからん」
「随分とまた酔狂な事象だ」
「ええい鬱陶しい!なんだこの空間は!」

…とのことであちらも混乱中の模様。
弁明もなにも無い。

「まあとりあえず原因は各々好きに考えてもらうとして。今回の議題なんだけど、どうも各…えーと…私なりにもぼちぼち不満があるらしくて」

「あ?瑠衣自分の事なのによくわかってねえのか?」

「そりゃああなたたちの…えーと…うん、各彼女の私…が、今ここに一個体となってるわけで」

「ふむ、合算された不満が過度に募った結果、其々に文句を突き付けようと」

「大体そんな感じで」

私だってわからない。
何度も言うが本当にわからない。
…ちなみに追加情報。
何故か私以外の意識?意見?も、若干巻き込まれているようで、とにかく不満不平クレームの坩堝になっているようだ…嗚呼。
ちくしょう。聖杯のばかやろう。イリヤは悪くないけど。多分。

以上の事から不満を吐くことが今回の目的っぽさを感じるのでその方針に従うしかないのだ。

一度ため息のような深呼吸をしてから口を開く。
先ずは、だ。

「…とりあえず大前提。私は、…私達?は??…えーと、私はあなたたちの彼女であり、お互いに愛し合っていて、その事実には不満は無いわけで」

「何…?瑠衣が我以外の彼女に、だと…?おのれ言峰!!あと狗貴様…!」

「隣に居るからと私に当たるのはよせギルガメッシュ、私とて不満だ」
「狗って言うなって何度も言ってんだろうが!しかも後ってなんだよ後って!」

「我に逆ら」
「ストップーー!!!!!!」

あーもうこれだからこの人達は。
気持ちはわからないこともないけれど、これが問題なのだろう。
コイツが問題だ。きっと。いや間違いなくコイツだ。
あと少し抑えるつもりだったが無理だ。
私はもう構わない、戦争開始だ…!

「とりあえずギル!!ギルは唯我独尊すぎ!もうちょっと皆に優しく!!!思い遣り!!!」

「何故だ?」

心底不思議そうな顔の英雄王。
そこが問題であることに微塵も気が付いていない、いや、そんな理論は存在しないようだ。
なんだか、これはこれで…愛らしい…と感…違う今はそうじゃない。
戦争開始の咆哮が消え去り掛けた位には好きらしい。厄介だ。

「同居者と円滑なコミュニケーションを取ることは現代的には基本というか…そうしてもらえないと事故るっていうか…面子も面子だし…」

「我の懐は深いぞ?」

「…」

昔に比べたらそりゃあね?
出会っていきなり無礼者だの雑種だの頭が高いとか令呪三画とかなんかそんな話に比べたら、目の前のギルは比較的懐が深いかもしれない。

「…ああはい、はいわかった、わかりました、…で、お二人は彼についてどうお考えで」

「狗って言うの止めて欲しい」

「愉しい」

「…」


…あの。帰っていいですか。
帰りたいです。

っていうか、


「お前らもう帰れ!!!!!!!!」


収拾がつく見通しが微塵も無いことを悟り、思わず半べそかきながら此度の面談はお開きとなった。
お開きとした。


世界線混線だなんて、もう二度と御免です。



12/12
むしゃくしゃしてやった。


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