あまい、あまいキスだった。
生クリームのように、あまい、否。
生クリーム"そのもの"までもが甘いキス。
生クリームを一口含んでは唇を重ね、また舌を絡め味わってゆく。
ふわふわのポニーテールに手をのばし、そのままぎゅうと抱きしめた。
「……ロマニ」
「……なんだい、神埼ちゃん」
「すごく、甘いね」
「甘いね」
二人して蕩けた顔をして、くすくすと笑いあう。
一口紅茶を含んで口移し。
甘いものには紅茶がよく似合う。
少し甘過ぎるほどのこの空間に、邪魔な苦味はどこにもない。
ただ二人、幸せに甘いキスに溺れるだけ。
一ピースのケーキを二人で貪り合う。
唇を重ねて、舌を絡めて、見つめ合って。
お互いの名前を呼んで、抱きしめて。
ただそれだけの甘くて幸せな空間。
一粒のいちごが皿の上に取り残される頃には、二人の間に入る隙は何もなかった。
願わくば、この甘い日常が続く事を。
12/09
ロマニと生クリームキス
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