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軟禁されて、何日だろうか。
そろそろ時間感覚も消えてくるというものだ。

アーチャーが今何をしているのかもわからないし、ステータスも元に戻ったのかすらわからない。
地べたに寝るのも身体を痛めるもので、何気なしに作った藁のベッドでぼんやり思考する。

……ロビンは今何をしているのだろうか。

アーチャーの事も気掛かりだが、ロビンの事も気にはなる。
当のロビンは現在ここには居ない。
アリーナへ出掛けているのか、また食料調達にでもしているのか。
日数を重ねるごとに、忘れて、慣れて、薄れていく何かを感じる。
私は何故、敵のことを警戒心とは別の方向性で思案しているのだろう。
これがいわゆる"ほだされる"、というものなのだろうか?何か違う気もするが。

だんだん色んな事がどうでも良くなって、睡魔に襲われてきた私は一度昼寝する事にした。



「よぉ、オハヨー。瑠衣ちゃん」

「……んー……、んん?んー……」

微睡みの端、薄ら開いた瞳に映ったのは先程まで思案していたその相手、ロビンだった。
寝起きにいきなりコレでは中々に状況把握もしづらいというもので、幾分か頭が回るまで時間を要した。
以前の私なら、飛び起きて警戒態勢も取っていたのだろうが、今の私はどうやらそうではないらしい。

「おや?お寝坊さんですかねコリャ」

よいしょ、の一声と共に優しげな抱擁。
微睡みながら人肌に包まれるのは存外に心地よいもので、ついおとなしくそのまま抱かれてしまう。
……本当に、不思議だ。慣れてはいけないはずなのに。おとなしく抱かれてる場合ではないのに。何故か、私はこのままでもいいかなと思ってしまった。
これが、眠気のせいの、ただの気まぐれであることを願いながら再び眠りに落ちた。



05/23
慣れとは恐ろしいもので。


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-雨夜鳥は何の夢を見る-