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「#幼馴染」のBL小説を読む
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天気の良い、どこまでも平和な朝。
今日はちゃんと起きることができたので私が朝食を作ることにした。
サラダ、トースト、目玉焼き、珈琲or紅茶、とサクッと手軽な朝食を拵える。

言峰は既に起きて一人で珈琲を嗜んでいたし、ランサーもちゃんと居る。
何故か少し眠たそうに見えないこともないけれど、よくあることなので気にしない。
いつでも偉そうな金ぴかさん…ギルはまだ起きていないようだ。
朝食は出来ているからそろそろ起きて欲しいのだけど…

「ねぇランサー、ちょっとギル起こしてきて」

「あー…?俺が?アイツを??…気が進まねえけどメシ食いたいしなぁ…
…わかった、起こしてくる。10分以内に帰ってこなかったら無かったことにしてくれ」

いまいち不吉なセリフを残してランサーはギルの寝床へ向かった。
…ところでギルはどこで寝ているのだろうか。やっぱり言峰の所…??

そんな事を考えながら紅茶のティーパックを揺らしていると、何やら騒がしい声が。
どうしたんだろう。ひとでなし事案でも発生してしまったのだろうか。
不吉な遺言を残してしまったランサーは大丈夫だろうか。

「…、瑠衣…一応アイツ…起こしてきた」

「はい?」

とりあえずランサーは無事だったらしい。が。
眉間の皺がとても深い。濃い。
ランサーが手で示した先には小さな金髪の少年。

「おはようございます、お姉さん」

太陽のように眩しい笑顔。
天使のように愛らしい声。
そして、ルビーよりも鮮やかに紅く輝く双眸。

まさか。

「あ、えっと、キミ、…お名前、は??」

「はい、お察しの通りギルガメッシュですよ、瑠衣。驚きました?」

ひぇー心読めるみたいだこの少年。まるでギルそっくりだ。名前までバレてる。

「だから、ギルガメッシュ本人ですってば。んーでも…
そうだなあ、紛らわしいし、ボクのことは気軽にギル君、って呼んで下さい」

「あ、はい、ご丁寧にどうも… …ほんとにギルなの?」

「そうですよー思う所は結構違ったりするけど。それよりも、ほら、ボク起きましたから!」

どうやら本当にギルらしい。
理屈も経緯もなにも理解できないけれど、今は納得するしかなかった。

「瑠衣?」

「ん?…あっ!そっか!朝ごはん!!えっと…ギル君は紅茶?珈琲?牛乳もあるけど…」

「紅茶でお願いします。ふふ、こういう朝も楽しいですねー」

眩しい笑顔で着席し、食卓を眺める。
あ、ジャムもあるんだ、と呟きながらニコニコと。
いつもと少し違うようで大きく違う、いつもより少し平和な朝が始まった。



「しっかし、大人のボクを差し置いて先にボクが出ちゃっていいのかなあ」

「ギルガメッシュ、そういった発言は慎みたまえ」

はぁいと子供らしい返事を返してトーストを囓ったちいさなギルは、いつもと違うようでよく似ている気がした。


3/13
もう14日だけど13日分ということでお願いしま…す…


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