ひとつ、夢のような話をしよう。
この世には常軌を逸する物が数多く存在する。
視認できないもの、理解に及ばないもの、理屈で説明がつかないもの。
そして、空想上の存在とされたものたち。
その中の一つ。
幻想の翼を持ったモノ達がいた。
彼らはこう呼ばれる。
"翼持ち"と。
かつて翼持ちは神秘、幻想とされていた。
現世にはもう存在しない、幻だったものだと。
純白の翼を持ち、奇跡を起こし、光の粉を散らす。
願いを叶え、夢を、希望を与える。
その姿は天使と云われた。
その姿は神と謂われた。
天使は、神は地上を去った。
そう、伝えられていた。
─数年前までは。
ある男が言った。
"純白の光を見た"
ある女は言った。
"貴方疲れているのよ"
ある少女は言った。
"天使様が居たの"
ある少年は答えた。
"僕も見たんだ"
瞬く間に話は広がっていった。
今では誰もが知っている。
今やそれらは伝説ではない。
"翼持ちは現存する"
と。
6/27
CV:子安にするととても楽しい
(つまるところアンデルセン)
「夢のような」ではなく私が見た夢を物語仕立てに。
ちょっとだけ続くかも
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