海に映るきみの影さえも蒼く、舌足らずなぼくの言葉は泡になって水中へと潜ってしまった
不確かなものを信じられなかった僕の結末
古びた過去を捨て去ればよかったのに
紫陽花が濡れてきみが泣き叫んでそして終わり
三日月だけが彼を照らしているでしょう
情けないと嘲笑った真っ赤なネイルのきみ
マゼンダの朝焼けの中でうつくしくきみを想うよ
したたるあなたの滴をどうか舐めさせて
肌を引っ掻くふりをしてそっと縋ってみせた
脳髄を貫く鈍い痛みは砂糖菓子の味がした
ふたりきりの浴槽の水はスイートなピンク色
うつくしいさよならの仕方を教えて欲しい
おれたちの熱を溶かして陽の中に混ぜよう
全部をすきだと言って舌を舐めて肌に噛みついて
(舌を引っこ抜かれてもきみにだけは伝えたい)
(あいしていたよ)