一度だけ | ナノ
「どうぞ、紅茶です」
『ドウモアリガトウゴザイマス…』

青空先輩が私の前にティーカップを置いた。
目の前のソファには不知火会長が笑顔で座っている。
青空先輩が去り際に頑張ってください、と励まされた。

提出しなきゃならない課題プリントは(強引に)電話させられた所
例のキューティクル君が届けてくれたらしい。

皆優しいな。それに比べてこいつときたら!!
前に座っている不知火先輩を睨む。

てゆうかがっつり逃がさないように翼が抱きついてんですけど。ていうか重いんですけど。

『翼重いんだけど…!』
「ぬー?久しぶりに会ったから充電なのだー」
『遂には自分まで作ったの翼』

爆発するからやめてください。

「そろそろ話して良いかー?」

私は翼の頭をわしゃわしゃしつつぬいぬい会長にはいどうぞ、と促す・

「正直なとこ今の生徒会には人手が足りん」
「ホントのとこは会長と翼くんがサボるからですね」
『それ完璧私とばっちりですよね!』

あーうるせー!と会長は逆ギレした。

「とりあえず入れ!月子も居るしいいだろ別に」
『ヤですよ!会長と翼が真面目に仕事すればいいじゃないですかあ!』
「俺はぶっちゃけ楽しいことだけやりたい!!」
『ふざけんなこの俺様生徒会長!!!』

俺様上等だ!とか変な開き直り方しないでください!!

『大体、何で私なんですか!他の人でもいいでしょ!』
「そりゃまあ俺の勘だ」
『…ぬいぬい会長の第六感は頼りにならない!』
「ばか第六感じゃねえよ。俺には星詠みってもんがあんだ」

颯斗も翼も月子も星詠みで俺が選んだ、と言うぬいぬい会長は最高に人の悪そうな笑顔だ。うわあ…。

「その俺が選ぶんだ。お前も生徒会にとって必要な人材だろ?」

にやりと自信満々に笑いまっすぐな瞳で私を見据えた。

『…生徒会には入りません、けど』
「けど?」
『………手伝えって言ったときには、手伝います、よ』


勝敗結果、大敗
(よっしゃ!毎日"手伝え"って言うからな!)(ちょ、ふざけんな!)(うるせー!)(この暴君!)(暴君上等!!)


2012.01.21 修正・加筆
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