一度だけ | ナノ
『おかげさまで、一応解決しました』

特に迷惑をかけてしまったこたせんせーと錫也先輩、梓に直ちゃんせんせーを保健室に集まってもらって最終的な結果を報告した。

「おお、良かったな。土日に家に帰った甲斐があったな」
『もうほんと心臓擦り潰されそうなぐらい死にそうでしたよ…』

こたせんせーには事前に家に帰ることを話していたのでなんとなくは理解しているよう話

私はいままでの全部を母さんにぶちまけた、ら母さんと父さんと直接話すことになって週末実家に帰っていたのだ。

『今更仲良くって訳にはいきませんけど家に帰れるようになりました。それと都月くんとちゃんと兄妹になりました』
「へえ!良かったな!!」
『はいもう私のことは思い出せないかもしれないけど今からちゃんと妹として接するからって』

実際都月くんは私のことを思い出していなかったようで。
手にいれたのは知識だけだったようだ。

都月くんはそれを説明してから「気負いなく俺は尚って呼ぶからお兄ちゃんって呼んで良いんだよ!」そう言った。
そのときの都月くんの笑顔を言ったら。誰だこのシスコン。だからそれは追々ね!と誤魔化しておいた。

『あと父さんともちゃんと話してきました』
「そっか、ちゃんと和解したんだな」
『はい!一発殴らせて貰いました!』

良い笑顔で言うと前の4人がえっと声を漏らして固まった。

当然である。
母さんが居るにも関わらず不倫して私をつくって、それで私を16年も放置し続けたのだ。
その行動は母さんも傷付けたし、結果的に私も傷付いた。
ぶっちゃけ一発じゃ物足りないところであるけれど。

『でもやっとちゃんと良い方向に向かってると思います』

えへ、と笑うとよかったなと錫也先輩が頭を撫でた。

『ほんと迷惑かけてごめんなさい、でも…この学園に来て良かったです』
「おうおう!良いこと言ってくれるじゃないか天音〜!!」

余程嬉しかったのか直ちゃんせんせーが私の頭をぐしゃぐしゃに撫でた。髪!崩れる!

「松本先生にもちゃんと言ったのか?」
『はい!ついでにお菓子も一緒に!』

そうか、そう呟いたこたせんせーの顔には少しの安堵が滲んでいた。
やっぱり心配かけすぎてしまったなあ、ホントに。
カーテンコールは私の合図で
(そのとき、)(誰かが静かに席を立った)
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