『ご馳走様でした!』
「お粗末さまでした」
笑顔で空っぽのお弁当箱を片付ける東月先輩。もう何か…オカン。
『東月先輩って料理上手なんですね』
「錫也は俺らのご飯作ってたりしたからな、」
パシャッ、という音とともに七海先輩の声が聞こえた。
ぱしゃっ? 少し疑問を抱えながら振り返るとキラッという反射。
反射で目をつぶる。
「あ、悪ぃ」
『いや…何してるんですか?』
「ん?あー写真撮ってんだ」
私と喋りながらもまだレンズを向けシャッターを押している。
それは風景だったり、話している羊先輩と月子先輩だったり。
『七海先輩写真撮るの好きなんですね』
「ああ、いっつもデジカメ持ってるぞ」
『データあります?』
おう、と言ってカメラをあたしの目の高さまで降ろしてくれた。
「うわ、お前案外小っさいな」
『うるさいですよ!七海先輩がでかいんですよ』
「いやこれ陽日先生より小さいぞ」
『あーもう!いいんですよ!それより早く写真見せてくださいよ!』
はいはい、と言いながら画面をデータに切り替えた。
ぴっ、という音に移り変わる写真。
専門家じゃないから何ともいえないけど綺麗だ。
『七海先輩、見かけに寄らず上手いですね!!』
「オイコラ。誰が見かけに寄らずだ!」
『褒め言葉なんでありがたく受け取ってください』
「…お前いい度胸してんな」
『褒めてくれてありがとうございます!!』
褒めてねえええ!!と盛大に突っ込まれた。
『ほらそんな事より先輩つぎ次!!』
「悪口言う奴には見せねえ!」
『何それ暴君!横柄!!』
「…おうへい、って何だよ」
『…馬鹿だ!』
「うるせえええ!!とりあえず馬鹿にしてんだな、よし分かった」
『っ、苦し』
七海先輩の腕が首に巻きついた。
『ちょ、七海先輩苦しい苦しい!!ギブギブギブギブ!!!』
絞めている七海先輩の腕を連続でばしばし叩くが緩まない。
「うっせぇ!ちょっとは懲りろ!」
『すいませんでしたごめんなさい!はい懲りたよ!』
「お 前 な !!」
巻きついた腕に更に力が込められた。ちょ、死ぬ。これは死ぬ!
七海先輩の腕を強めに叩こうとした時に、先輩の頭に鉄拳が下った。
「はいはいそこまで!いい加減にしないと尚ちゃんが苦しいだろ」
『東月先輩…!』
「はいはい、ほんとお前はどこまでもオカンだなー」
ぱっ、と離され、とりあえず酸素を求めて深呼吸する。
そして東月先輩の後ろへ隠れる。
「あ、ちなみに哉太と尚ちゃん。横柄の意味は
いばって人を無視した態度をとること。無礼、無遠慮なこと、です」
「全然違くね!?」
『…えへ』
お前も馬鹿じゃねえか、と言われた。
東月先輩の後ろに隠れていたので手は出されなかったけれども。
馬鹿上等!
(国語2ですもん)(何で神話科入ったんだよ!)(ギリシャ語は5だから)(お前もうギリシャ行けよ)
2012.01.21 修正・加筆