一度だけ | ナノ
「君が天音尚ちゃん?」
『………』

誰だこの青もじゃ。
インハイも我が星月学園の優勝に終わり、すっきりした感じで二学期に入ったっていうのに。
早々に不審者に話しかけられるとか何事。

「ふーん…」

品定めするように私を上から下からなめ回すように見る。
え、なにこの不審者改めて変質者。
数十秒後、満足(?)したのか私の顔を見ながら一言。

「月子ちゃんより胸はあるけど、ガキっぽいね」

最後に鼻で笑われ…、
久しぶりに人に殺意が沸いた。黙れこのセクハラ男。

『だらああああっ!!!』
「っと…、それに加えて猿みたいっと」
『きさまコロース!!』

叫び声と共にキックを入れようとしたら難なく避けられたのでもう一発決めようとすると
パンツ見えるよ、と言われたが私は見せパンをはいているのでマーモンタイだ!見せパンは見せてなんぼなんだからな!

それから私の叫び声ならぬ雄叫びを聞きつけたのかこたせんせーがやって来て第一回変質者及びセクハラ男撲滅運動は終わった。


『教育実習生?』
「ああ。天文科2年のクラスにな」
『うわあ月子先輩かわいそう…。…錫也先輩たちに滅されればいいのに』

いやというか月子先輩に手を出した時点で死亡フラグ確定だ。
切実にそう願っていると、

「ちょっと尚ちゃん、そんな物騒なこと言わないでよね」
『セクハラ男にはこれぐらいで丁度良いと思います。それとさりげに肩に手を置くのと名前呼びやめてくださいっていうかやめろや』

こたせんせーの後ろに逃げてキシャーッ!と威嚇するとまるで猫だね、と言われた。

「まあ天音落ち着け」
『落ち着けない!半径一メートル内に入ってきたら拳が飛んでいきそうな程落ち着けない!』
「ちょ、いた!天音肉掴んでる痛いから離せ!」

こたせんせーに怒られたので手を放す。

「ははは!こた兄も大変だねー。まあ僕ともよろしくしてよ」
『誰がかこのやろう!』
お断りします
(寄るな触るな!)(酷いなあ、人を害虫みたいに)
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