そんなこんなで体育祭。
学科対抗なので同じチーム(でよく喋るの)は犬飼先輩と颯斗先輩。
それと星詠み科は少数なので何人かずつに分かれて各チームにメンバーとして入っている。
神話科チームには四季先輩。
あとは先生として各学年の担任+こたせんせー。
(こたせんせー寝てるけどね!)
『先輩頑張れー!!』
「おー俺頑張る!!」
ヤジ飛ばし楽しすぎる。
さっきから同級生や先輩にヤジ飛ばしまくってる。
オッサンか、と犬飼先輩に突っ込まれた。いえいえ華の女子高生。
「尚さんはもっと慎みましょうね」
『今日ばっかりは颯斗先輩の命令でも聞けませーん!』
騒いでナンボでしょう!と返すとはぁとため息をつかれた。
な、なんだい!別に傷付いてなんかないやい!
「………尚、元気…」
『元気ですよ!四季先輩もほらテンションあげて!』
「………運動日向、………嫌い」
『わぉ!インドア発言ですね…って梓だ』
どうやら1年の200メートルらしい。
ちなみに私の100メートルは昼からだ!
梓がスタート地点で腕を伸ばして柔軟しているのをぎりぎり歯を食いしばりながら見る。
パァンッとピストル音が響いた。
一斉に走り出す選手。他の選手の一歩前を走るのは当然のように梓だ。
『……梓はっや!』
そう叫んだときにはもう既に梓はゴールしていた。
さすが宇宙科?みたいな。
「いやいやおま…他の科じゃなくて神話科応援してやれよ…」
『いやーあはっ!』
笑って誤魔化していると本部から放送がかかった。
借り物競争出場の選手は入場門集合とのこと。
確かー…、
『四季せんぱーい!出番!出番ですよー!』
「んー……、俺、出たくない……」
『いやいやエントリーしちゃってますからね!?それにこれが終わったらお昼ですよ!』
ちなみにちなみにお昼ご飯は月子先輩たち食べるお約束である。
ごねる四季先輩を引きずって入場門に行こうとすると、
「尚」
『錫也先輩!』
「これ終わったらお昼だからさ、頑張れよ?1位とれたらご褒美あげるから」
他の組を応援していいのかな、なんて思ったけれど
錫也先輩のもつご褒美…ゼリーによってそれは頭から消し飛ぶわけです。
『モチロンです!錫也先輩のゼリーひゃっほう!』
テンションがあがった私は四季先輩と手を繋いで(逃げられないように)
入場門前に行くと同じく借り物競争出場の月子先輩、翼、宮地先輩が居た。
「ぬ?尚も出るのかー?」
『出るよー、翼何組め?』
「俺は4組めだ、書記は?」
「私は2組目。宮地くんは…3組目だっけ?」
そう確認をとった月子先輩に宮地先輩がこくりと頷く。
『!私…宮地先輩と一緒の組なのか…』
「む、女子だからって手加減はしないからな」
『そんなことされたら泣きますよ!でも錫也先輩お手製のゼリー…!!』
くそう、どうか簡単なお題がでますよーに!!
そう願った矢先に放送がかかる。
「今回の借り物競争のお題は不知火会長をはじめとする生徒会が直々に考えたものもあるようです!」
『ちょ…嫌な予感しかしないのは私だけか…!?』
「…同感だ」
隣の列の宮地先輩が眉間に皺をよせてそう呟いた。
おいおい大丈夫かよ…、と思っていると後ろの翼が
「ぬははー!俺も考えたのだー!」
『その言葉は不安が増すだけだよ!?』
能天気にぽーんと爆弾を放った。この野郎!
「そらそらも考えたぞ」
『どうか颯斗先輩とかマシなのが当たりますよーに…!』
突き抜けるような青空に願ってみた。
(いや別に颯斗先輩の"青空"と空の"青空"をかけたわけじゃないんだからね…!)
2012.01.23 修正・加筆