一度だけ | ナノ
「というわけで、あと1ヶ月を切った」

いやなにがだ、と思ったそこの皆さん。
実は体育祭の話なんですええ。
今日のホームルームは体育祭のことで丸々潰れました。

「まああれだ。出たい種目に各自名前を入れるように。
ちなみに一人最低1種目はノルマだからなー」

そう言うと担任の松にい(松本だから)は、
自分の椅子に座って楽しげに種目が書いてある黒板を眺めた。

神話科1年担任の松にいは基本放任主義なのだ。

な、ん、に、し、よっ、か、な!
体育は好きなのでるんるん気分で黒板の方へ向かおうとしたら、
松にいが私を呼び止め爆弾発言。

「お前の出る種目は決まってるからな、天音」
『え』
「クラス対抗リレーに、借り物競争。あと100メートル」
『え、ちょ…!?なんか私の出る競技多くないですか!?』
「いや折角女子が居るんだし有効活用しなきゃいけないだろ。100メートルは短くなるしなあ。
いざとなったらお色気攻撃でも使え」
『需要皆無だけどそれで良いのか!?』

肩にぽんっと手を置きながら松にいが言うもんだから
思わず汚い言葉になってしまった。いけないいけない。

「嘘だウソ。来年度の女子生徒と女子にホイホイされた男子生徒獲得のためにもだな、
お前と2年の夜久には頑張って貰いたいわけなんだなうん」
『いやいや!!月子先輩なら分かりますけど私とか"ちょwwwおまwww"状態ですよ!』
「そりゃ承知済みだ」

そりゃないぜ、せんせー。

「まあしかしな。来年度入学を考えてる奴がどんな趣味か分からないからな。
もしかしたらマニアックなやつだって居るかもしれないだろ?」
『私はマニアック向けですか!』
「違うのかー?」
『否めない!』

ちくしょう、セクハラで訴えたら勝てるんじゃないのこれ。
いや、むしろパワハラか…?
そんな私を松にいどうどう、と宥める。いや原因お前し。

「ま、頑張れよ」

語尾に星がつきそうなテンションで言われた。
しかも超良い笑顔。(ここ重要)

どうやら私に拒否権はないそうです。
迫る体育祭
(筋肉痛なったらどうしてくれようか)(そんときは星月先生とこに行きゃあ良いだろ)


2012.01.23 修正・加筆
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