一度だけ | ナノ
お昼は神話科の皆とカレーを食べて、夜に梓達と行く時に我儘を言ったお詫びに星を見て、月子先輩と一緒に風呂に入って、布団にダイブした。
一日の流れである。すごく充実していてすごく疲れました。腰が痛い。

布団でゴロゴロしていると隣の月子先輩がくすくす笑った。

「尚ちゃん、疲れちゃった?」
『疲れましたー…。
だってカレーにジャガイモそのままぶち込んだんですよ!?うちのクラスメート!
信じられない…煮るのと食べるのにどれだけ苦労したか…!』

私がせんせーに呼ばれている隙にジャガイモはもう鍋にイントゥしていた。
噛むと熱いし、火傷しかけたし。月子先輩も驚いている。

『月子先輩のとこは、錫也先輩が居るから美味しかったんだろうなあ…』
「うん!さすが錫也ってところかな」

食べたかった。とっても残念だ。悔しさで布団と枕をばんばん叩いた。
ソーリー!布団さんと枕さん!しかし叩かずにはいられない。

「ふふっ、大変だったねえ」
『でも、楽しかったです!!』
「うん。だって今喋ってたとき尚ちゃん楽しそうだったよ」

なんたる不覚!いや別にバレたって困らないけど。
枕に顔を埋めて月子先輩とお喋りしていると、部屋にノックの音ががした。

「私が出るね」
『お願いしまーす』

月子先輩が扉を開けると

「こんばんわ」
「月子先輩、こんばんわ」
『あれえ、錫也先輩と梓ー!』

扉から顔を覗かせたのは梓と錫也先輩だった。なんだろうこの異色なコラボ。
月子先輩もそう思ったみたいで「どうして2人一緒なの?」と問いかけた。

私は私で布団から出て月子先輩の隣に立つ。

「ここに来る途中に東月先輩に会ったんで…」
「それで、何の用だったの?」

月子先輩が首を傾げると、
錫也先輩と梓が顔を見合わせて

「いや、暇してるだろうから2人とも部屋に呼んで来いって哉太と羊が。
宮地くんと青空くんが止めたんだけどしつこくって…」

四季くんにいたっては眠ってるしさ、と若干困り顔。
一方、梓は。

「僕は翼が不知火会長を呼んだら3年生の人たちが来て、
尚と月子先輩を呼んで来いって翼と不知火会長が五月蝿いから」

私は暇つぶし要員ですか。そうですか。別にいいけどねー!

ていうか錫也先輩たちの部屋に
錫也先輩と哉太先輩と羊先輩と宮地先輩と颯斗先輩と…し、しきって誰だ。

んで、梓たちの部屋に
梓に翼に一樹会長に金久保先輩…かな。あ、おまけで桜士朗先輩居るかも。

…2年グループ(しきくんって人は知らないけど)と1・3年グループに綺麗に分かれてるじゃん。
わー、なにそれ。狙ってんの?いやでも必然的に仲良い人と集まるかあ。

『ていうか、凄いダブルブッキングですね』
「ほんとだね…」

私はアメーバーでもドッペルゲンガーでもないのよ!つって。
体を二つに分ける方法ってあったっけ、と本気で考えてちゃったじゃないか。

『どうしよう、月子先輩』
「うーん…どうしようか」
「あ、そうだ」

梓がなにか閃いたようだ。

「全員、ここに連れてきちゃダメですか?」
『「………」』

月子先輩と顔を見合わせる。

『私は良いけど…月子先輩は?』
「私も良いよ!」

それじゃあ片付けなきゃね!と月子先輩は早速お出迎えモードだ。
おうあ!私も手伝わなければ!

「それじゃあ5分ぐらいしたら連れてきます」
「じゃあ俺もそのぐらいに」

そう言って二人は自分達の部屋の方へ歩いていった。

うーん、枕いっぱいいるかなあ。
確かに枕投げしそうだよね。特に哉太とか翼くんとか。
あー、あとは一樹かいちょーとかも。

そんな事を月子先輩と喋りながら部屋を片付けた。


枕の足らない部屋
(枕補充してきまーす)(え、何処から?)(直ちゃんせんせーを襲撃してきます!)
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